真昼の淡い微熱

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戦後少女漫画史/米沢嘉博

文化芸術はいつでも確立と破壊と構築の繰り返しですよね……。
面白い。
裕福な時代に「不幸」から「幸福の肯定」を描くようになったとか、学園ラブにも「外国など遠い世界」から「日常」へ引き降ろす試みがあったとか。
それが物語の矮小化へと繋がり反動でロマンスが求められたとか。(とすれば現代そろそろ骨太壮大ロマンス出てきませんかね……ちょっと現代の空気にどう落とし込めるかわからんけど)

カウンターカルチャーに目がいくのでこういうの私好きよ。
しかし学園ラブコメって40年もの歴史があるのか。よく飽きないわね。

「少女」を描くものが少女漫画であった、と。
しかし戦後から時代は変わるし、私は藤本由香里の「ジェンダーを描く」ことで定義するほうがしっくりくるり

後半は主旨がぼやけてよく見えなかったな?
著者も言い訳してるとおり、著者の見てきた歴史をまとめてるからそうなるんだろうが。