真昼の淡い微熱

感想ブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

しまなみ誰そ彼3巻/鎌谷悠希

はあ……「君の言葉で僕が傷ついたことを知ってほしい!」、そう。そうなんだよな。それだけなんだよな。「傷ついた」、言葉だけじゃ絶望的に伝わらないんだ。お前は気軽に無邪気に口笛を吹いたつもりかもしれないが目の前にいる殴られて血のついた私を見てほ…

来世は他人がいい1巻/小西明日翔

悔しいな面白いわ。なんなんだろうなにが上手いんだろうか。ストーリーが上手いわけではないと思う。間を埋める、キャラをつくりあげるその順番、とかそういうのがすごく上手い気がする。腎臓最高でしたね。立場弱かった女が啖呵切る瞬間とか最高に決まって…

ちはやふる36巻/末次由紀

それ、それ……聖人君子ではなく、醜い感情を持ち、しかし醜さ一辺倒でもなく、醜い感情だってある、それでも、それでもきらきらした感情だって本物で、そこに向かっていく……!そういうのがほしいの、こういうキャラが大好きなの、大好きなの!!!うれしいと…

乃木若葉は勇者である上下/タカヒロ/朱白あおい

機会があれば見ようと思ってたゆゆゆを偶然9月にdアニメで見て、偶然秋からわすゆの始まることを知り、たがわず毎週張り付き、百合の噂につられ銀ちゃんイベントからゆゆゆいを始め、偶然dアニメからもらったポイントが余りのわゆを購入……。流れるような偶然…

宝石の国7巻/市川春子

7巻買って積ん読していて、人に「7巻急展開だからはやく読んで!!!」と言われて余計に最初から読まねばならぬと読めなくなって、しかしアニメの出来があまりに素晴らしかったので重い腰上げてようやく1巻から読んだ。おっもしれえな。まずシンシャ、シンシ…

プリティーリズム・レインボーライブ

51話完走できるくらいには面白かった~!1年ものという長尺作品で、常時誰かしらのなにかしらの物語が同時進行していて、飽きさせないアニメでした。子供向けに平易な展開を重ねながら描かれるテーマは大人が退屈するものでもなく、バランスよく開かれた作品…

KING OF PRISM -PRIDE the HERO

人に誘われて応援上映初体験してみた!きっと私の好みにリーチしない気がするけど異文化勉強流行のキャッチ友達の好みの理解、食わず嫌いはよくないな~と思ってせっかくの機会なのでのった。まあ最悪つまんなくてもあらゆるユニットや舞台の観客の嗜み方相…

恋つなぎ/葛家ロウ

とりあえず帯の「リバ」の文字に即買い、リバ詐欺を警戒してパラパラしたらちゃんとリバでまず拳を握り、そのとき「あ~内容すかすかなタイプの作品だな~」となんとなく察し、そのとおりな作品だった。なれそめないほうが想像補完できるぶん萌えたなこれ………

蛍火の杜へ

だめだって私こういうのめちゃくちゃ弱い……!!アニメをみる。ひっさしぶりに「少女漫画っていいなあ!」と思った。こういうのだよね。恋愛ものってこういうのだよ。私が求めてる恋愛描写ってこういうのだよ。なんか今も書きながらずっと泣いてるんだけどな…

セッション

煮えきらねええ……!沸々!沸々!ラストにほっとはするがほっとさせられることが気に食わねえ。それまでの苦渋ストレスがちゃらになると思ってんのか!?ゲイを貶めておけばわかりやすい差別者アイコンになると!そこで結局だしにされるゲイ!!ホモフォーブ…

ブレードランナー

新居昭乃課程選択科目を履修した。SFだと思ってたのにサスペンスホラーだった……?人間とは?ロボットとは?存在とは?人とロボットの境目とは?SFに期待するのってそういう哲学なんだけど。うーむ期待はずれ。古典だなって感じ。歴史に耐えうる名作というわ…

結城友奈は勇者である

なんで誰もこれを私に薦めてくれなかったんだ!!戦う女の子……泣いてわめいて打ちのめされて、どうしようもなくって泣きながら立ち上がり咆哮する女の子を、私に!夏凜ちゃんの雄叫び……怖くて震えてもそれを押さえつけての雄叫び、勇者部五箇条を振りかざし…

銃座のウルナ1-3巻/伊図透

なんだこの胸苦しさは。取り立てて奇抜なことをやってるわけではないのにぐいぐい読ませる。面白い。雪は閉塞をもたらす。女部隊は辺境を表す。トロップの平和さがそれらを引き立てる。世界から隔絶された地でしかし閉塞感を打破するために戦うのではない。…

君は夏のなか/古矢渚

ずーっと読んでる。真骨頂だ。夏と男子高校生相性よすぎでしょ。相変わらず要素の調理がめちゃくちゃうまいんだよな~。場面チョイスがドラマチックで素敵。雨のバス停という王道であーだから好きになったんだなあいやそりゃ好きになるよ~っていう納得と気…

男の絆-明治の学生からボーイズ・ラブまで-/前川直哉

意外とジェンダー論初学者に向けて書かれてた。セジウィックの論が難解だったからかな……。修論下敷きというのもあるだろうけど。そうそうー!「昔の日本は同性愛に寛容だった」論イラッとするんだよ。ホモソ下位への搾取と対等な人間関係の区別がつかないの…

マギ33-34巻/大高忍

おお……運命をドストレートに問いかけてきた……。力ではなく役割分担することが運命への対峙法になるってどういう意味になるんだろう?ソロモンのやったことも悪ではないか、にアラジンの運命観はどう答えるんだろう、エゴにしかならないのかな。なんかね究極…

AIの遺電子6巻/山田胡瓜

この作品のなにがいいって家族観だ。「本物の母が三人いる」とか「洗脳しても努力なしに仲のいい夫婦にはなれない」とか「それが子供のためになるわけではない」とか。唯一2巻あたりの「いくらでも容姿のいいアイドルは作れるから差別化競争が激しくなる」に…

出口ゼロ14巻/瀬田ハルヒ

うーーーーーーーーーん。お、おう?ロマンス……ロマンス……。ロマンスの敗北と読み取ることは可能ではあるんだよなあ。咲良が最初に想定したほど物語の中核に存在しておらず結局は夕日とゆみかの話であったわけで。だからキスしたんだよな、咲良が夕日に侵入…

2DK、Gペン、目覚まし時計。2-5巻/大沢やよい

なんかどうしてもカプは固定で拝見したくなっちゃうので、あらゆる百合の可能性が広がっていた本作については意識的に奈々美とかえちゃんびいきにならないよう調節していた。だから葵さんが奈々美にキスしたとき拳を振り上げWINNERRRR!!!と天を仰いだ。固定…

有頂天家族2

日々の癒しだった。矢二郎推しなのでいろんな化け姿が見れて嬉しかったし旅立ちわりと本気でさびしかった。鬼とか地獄とか将棋の駒とか虎とか将棋盤の虎歯形とか叡電とか次から次へと飽きないポップな画面。ごりっごりの家父長制を特に疑うこともなくやって…

ももたまい婚

結婚おめでとう!!!!!BDみた。2016年9月4日。いや……とりあえず……とりあえず司会進行どうにかならなかったの。飯塚さん……って思ったけどこういうときこそ山ちゃんでは!?めちゃくちゃ適任では!?お忙しかったのか!?殺されてたなー。せっかくかわいく…

相対的伊勢田くん/会川フゥ

好き……癒し……最近繰り返し読んでる。こういうカプに弱いんだ!ひっそりと愛してる!潤の愛情と欲がまみえる瞬間も伊勢田くんが「潤にフラれたら俺からなくなるものが多すぎる」と泣くのもその培ってきた情の大きさが私の主食です。描写に物足りなさがあって…

透明なゆりかご1~4巻/沖田×華

1、2巻を外で読んでしまって完全に失敗した。重い。涙をこらえるだけで必死。こんな生死の境がさあ、町の片隅にある。たしかにあるんだな。ただなんか重い内容のわりにまとめ方が取ってつけたような陳腐な綺麗事ばかりだな?と思ってたら、3巻あとがきの「漫…

百と卍/紗久楽さわ

ディティールすげえ……。江戸庶民暮らしの空気感が伝わってくるし陰間の仕組みも……。いちぶのりのエロさ。江戸しゃべり最初読みづらかったが慣れれば味。陰間時代の話、これ二話でまとめた技術力。漫画がうまい。醒さんがビジュアルだけ先に登場するのも得体…

先生の白い嘘7巻/鳥飼茜

美奈子が……!!いちばんの衝撃だった。美奈子がついに気づいた、ホテルへ向かった、美鈴先生の前に現れた。美鈴は諦めたんじゃないのかと想像した。美奈子を認識した瞬間、この状態でいてもなお美奈子から責められるのだろうことを諦めたんじゃないかと。あ…

ファイアパンチ1~4巻/藤本タツキ

え……まって……すごい……すごい面白い……………………1話が話題になって面白くて出落ちかと思いきや本物だったっていう……。エロスとタナトスと宗教倫理そして文明。どこか進撃に似ているけれども決定的な違いはエロスとタナトスだ。進撃は未分化だがこちらは性のにおい…

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

洒脱だ……。なんか好きとかではないんだけど感心した。洒脱だ……。導入めっちゃきれいだ。現代ニューヨーク、の中の異質な鞄、日常に侵食する魔法と緊張感、魔法の常態化してる秘密の部屋、鞄の中のサバンナ。段階を経て引き込んでいく流れめっちゃきれいだな…

進撃の巨人21,22巻/諫山創

2巻まとめて読んだんだけど読むまでよくネタバレに出くわさなかったな。よかった。「そうか……」「そうかよ……」「そうか」。と言った。そうか。うん。そうだね。自由は。自由は?ひっでえ話だ。ひでえ話だ。しかし海に到達した。自由は犬に食われると知った。…

なぜ幸せな恋愛・結婚につながらないのか 18の妖怪女子ウォッチ/ぱぷりこ

実はnote全課金してるくらいにはぱぷりこさんのファン。妖怪男ウォッチは買ってないけど。分析とプロファイル能力もさることながら言葉のセンスが最高。「愛情は経年劣化していくという減価償却の概念」とか「へそで茶が粉塵爆発するポエム」とか「1万本のネ…

男子の貞操/坂爪真吾

「性でつながる社会」に抗して――坂爪真吾『男子の貞操』批判このブログの書評(批判寄り)を読んでから読み始めた。僕たちが生きている社会は、男性が性にまつわる問題の当事者にならなくても済む社会、より正確に言えば、本当は当事者であったとしても、そ…