真昼の淡い微熱

感想ブログ

BL小説

たとえどれほど遠い海でも/ま子

友達の二次創作BL!以下twitterに投下したツイートまとめ。これなんだけど現代思想9月号の「恋愛の現在」と照らし合わせると面白くて、ものすごく現代的な話だよねと思う「ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ」では、「恋愛のゴールは結婚である…

約束/可南さらさ

いまこれを求めていた。老舗の味……。風邪っぴきで体調最悪のなか癒しを求めて朝3時から6時ごろまで読んでたので感情がぐらぐらで、めちゃくちゃ泣いた。おかげで体調回復したのでBL小説テラピー。全部どこかで見た記憶喪失ものなのに、その全部が丁寧で王道…

悩ましい彼/凪良ゆう

なんでこんなに面白いBLが書けるんだろうな~。唯一無二エンタメ。『美しい彼』は清居を指し、『憎らしい彼』は平良を、そして『悩ましい彼』はふたりのこと──って着実に進んでいるよ!『美しい彼』のときは平良のこと「あんなに崇拝していた清居とあっさり…

kiss you,kiss me/ひのもとうみ

10年恋。忘れられない。執着。ゆえの健気受け。私も大好きなのだが、だが、だが……。あれっ10年前の作品かな?と思ったら作年末だった。そんな、不憫受けにスパダリ攻め、独占欲由来のレイプ、もうお腹いっぱいだよ……。そろそろ倫理的にも厳しいですよ、愛ゆ…

憎らしい彼/凪良ゆう

最高エンタメすぎるな!?まず、萌えるよ、萌える……これいちばん大事……ここさえクリアすればBLはオールオーケーなのにこんな、私の読みたかったものとか価値観に対する真摯さとか伏線のそつのなさとかキャラの無駄のなさとか、しかもそれらすべてを一定量か…

お菓子の家~un petit nid/凪良ゆう

あー堅実!本当にそつがないよな。キャラの作り方も。味覚障害と人付き合いをねそう使う。そして180cm受け!攻めと身長変わらないのにべたべた甘えたっていうの大好きよ。まあこれは前作でDV当て馬役だったからこその設定でしょうけれど。前作読んでないけど…

365+1/凪良ゆう

あっ面白かったな。このすれ違いよ……。ふつうに二人のなれそめは甘酸っぱい青春でかわいかったし、それが段々生活の違いとどろどろの逡巡で目減りしていく虚しさが。あと美山のキャラが濃くてびっくりした。凪良さんって二人の世界で完結していて脇キャラを…

天涯行き/凪良ゆう

雰囲気がよかった。色々なものを抱えたまま淡々と物事がそよ風に流されていき、静かな二人暮らしも、そのなかで心通わせる穏やかさも、好き。しかし重いよな……。復讐の処理もよかった。復讐の達成にも綺麗事にもならないんだ。ふたりの癒しこそ。

恋愛前夜/凪良ゆう

やっと凪良さんの「ふつう」の話がいいなあと思えるようになってきた。ていうかふつうと言うにはドラマチックだしね!でもこのくらいのドラマはあるよね!ヤコ先生いいキャラしてるな……スピンオフがあるのか……。ヤコ先生があんなキャラだからナツメの心折る…

終わりのない片想い/深山ひより

焦れて焦がれてやっと報われるのとても好きだよ……。期待せまいせまいと期待膨らませるたび折れる受けつらい。盛り上がる一晩克明に描ききってすごかった。しかしながら萌えを抜いたらなんだかなあ。攻めが受けに執着する理由の説得力も弱い(設定でしか説明…

左隣にいるひと/可南さらさ

かわいーなー。自己完結する生方に食らいつく江沢かっこいいーー。こういうね、だって相手はゲイじゃないしと思い込んでるほうと「いやいや俺だって憎からずだよ!?」と覚醒するほうの双方掛け違い両片想いがとても好きですね……。「いっそリバでもいいです…

恋の記憶/杉原理生

ちょっと『きみと暮らせたら』に「男同士は変」が散りばめられてショックだったから「そんなことないよね?!」と思いたくて杉原作品3冊め。まあ、まあ、なくはなかったかな……。キャラの関係がよかったな。二人で生きてきた姉とか。会社の男女同僚の掛け合い…

群衆/木原音瀬/和泉桂/水壬楓子

和泉さんの作品で、なるほどな、なるほどな、と思った。モブおじさんとして輝けるモブ……。そして木原作品なんなんだよ……これは、降参です。グロテスクなこっぴどい後ろ暗い性行為を描く木原作品でも、別に、なんとも思わないものだってある。露悪それだけを…

きみと暮らせたら/杉原理生

「女顔」で一編通されるのきついなあ……。あと「男同士なんて変」って逐一ちくちく刺してくるのすげーつらい。『親友の距離』のゲイにとても共感する「ヘテロ相手の怖さ弱さ」があったからそのへん信頼したかったんたけどあまりにも無防備に「男同士なんて」…

愛のコロッケパン/栗城偲

コロッケパン推すな!?こんなにコロッケコロッケコロッケパンだとは思ってなかった!あとがきもコロッケパン!!!助けてめっちゃコロッケパン食べたい。食べ物描写すごいおいしそうなんだもの。日常会話劇も上手いなあ。幼馴染みの距離感伝わってくるし、…

それは初恋すぎるでしょう。/花川戸菖蒲

全体的に淡々としている。ふーんて。仕事描写にもかなり字が割かれていてそちらでいくらでもハラハラ展開できたろうにまったく順風満帆。ここで波乱起きてそれを堅実な性格の阿川が支える、くらいだったらそこにある想いに説得力出たのになー。20年は重すぎ…

親友の距離/杉原理生

うわーー好き……!ていうかうっかり自己投影してしまって泣いた……。過去のことや同性愛という事実からなる諸々の事情に向き合う体力が既にないのに将来まで覚悟して全力で口説き落としにかかってくるヘテロ。そんなんヘテロノーマティビティーに対して胸が空…

八月七日を探して/樋口美沙緒

多少受けがなよなよしくても受け入れられるほうなんですが、近年のさっぱりしたBLを読みまくって基準値が上がってたせいで樋口さんらしいうじうじ受けにイライラした。うじうじするくせに自分勝手で「好きならこうしてくれるはずしてくれないなら嫌いってこ…

半月/木原音瀬/和泉桂/水壬楓子

のっけからすごいのきたぞ……。アンドロイドとか昔話風とかはすんなりわかるけどさすがの木原音瀬、拷問で膣づくりとは。設定とシチュの説明に紙幅割いてただけではあったので長編で読みたかった気もするけど戦場ど真ん中で死にかけの兵士から剥ぎ取って想い…

期限切れの初恋/木原音瀬

最っ高……。木原クズBLを求めて読んだら看板に偽りなし期待どおりのクズを差し出された……なんだろうこの癒しは。案の定これも「BLを越えた」みたいなレビューついてるけど、そういうの物ともせずに今自分の書きたいものはBLでしか表現できないんだとばかりに…

愛しのニコール/凪良ゆう

面白かった。好き。けど!あともう一歩足りない……かなあ。もうちょっと冷めてしまったニコの想いの再燃をじっくりやってほしかったかな。冷めた展開に今後どうするのかわくわくしたから、そんなすぐに顔赤くなったりできるものであってほしくなかった。うん……

愚か者の最後の恋人/樋口美沙緒

あれっ読み始めたときは「あ、攻めと受けに圧倒的権力差があるやつだダメかも」って思ったけど意外といけるぞ。振り返ってみるとそういうの結構あるかもな……なんなんだろうな違いは。受けのかわいさか攻めのヘタレ度か?でも少しずつ読み進めたから家のしが…

クリームな僕/山藍紫姫子

短編集か。表題作が続いていくものだと思ってたから最初混乱した。うーん、はい。この人よくリバ書いてるみたいだけど私と違うところに萌えている気がする……他の作品も読みかけで積んでる。強者が弱者を搾取する構図を好み、その弱者が反転して搾取する構図…

いつでも君の傍にいる/安曇ひかる

すっげーー何から何まで余さずテンプレだった。なんか感心。BLにおける社会的地位の高い当て馬はみんな受けへの執着心が異常で狂ってるよなーーー、と思った次の瞬間なぜか不用心にもたまたま開いてる玄関の鍵、に笑った。個人的BLあるあるの一番がそれなの…

未完成/凪良ゆう

めっっっちゃ王道なBLだな!教師×生徒で執着攻めで周囲の人間に心動かされなくて最初は年上優位だったのが精神的立場逆転していく……。王道だねえ。もう一声、掘り下げがあれば萌えてたなあ。執着も「実はベタ惚れだった」も説得力があとひとつといったとこ。…

ショートケーキの苺にはさわらないで/凪良ゆう

そこそこ面白かった。ナンリの「ショートケーキの、苺には」はうるっときた。シンはかわいいし。ビリーバビリティはちょっと薄いかな。アンドロイド周辺はいいとしても戦争の実感が迫らないから引き剥がされる恋人の切なさが惜しい。スワンプマン問題。器が…

イエスかノーか半分か/一穂ミチ

面白かった~。軽快で。前半のじりじり都築に惹かれていくところの雰囲気が好きだな~。でもこう、いつも優位に立っていて、自分の弱さも全部受け入れて完璧な余裕ある攻めは好みでないので残念……。「うるせーな、愛してるから黙ってろ」「嬉しくねぇ……っ」…

明日はきみと笑うシャラララ/くもはばき

概ね良かった。だが、他のレビューを見て「ああこれ絶対私好きなやつ!!」と思ったものは大体期待はずれの法則……。両片想いにわくわくしてたら思ってたのとは違った……。ただ、好きな人にそうと知れぬまま思いもよらなかった棚ぼたセックス展開は好物なので…

WEED/木原音瀬

ちょっとびっくりした。最初にどクズ強姦からの高慢さまでは今回はこういうパターンか~と思ってた。どこから岡田はこれに惚れるんだろうと。そしたらあっさり折れてあっという間にいちゃらぶし始めてびっくり。いやいやいつ手のひら返すかな……と待ち構えて…

リバーシブルスカイ/沙野風結子

よかった!すき!何がそんなに良かったんだろう。じりじりと恋愛感情が恋愛感情になっていく瞬間、触れたいのに距離を崩してはいけない緊張感、そのあやうさ。昇の浮かび上がらせ方、絡ませ方が絶妙なさじ加減。死の象徴にし、キャラを立たせ、昇華する。何…