真昼の淡い微熱

感想ブログ

花まんま/朱川湊人

表題作すきだー!!いや前世ものだからなんですけど……。
娘の死を何年もずっと引きずってごはん食べれなくなった父のもとへ届く花まんま……泣いた。
だけれどもフミ子は前世の人格を引きずってはならない、そうはさせない!ということで未練の家族を駅で断ち切る兄。

あと『送りん婆』が好きだな。人殺し……。
庭で転げ回る病気の幼児とか、うわーって。
でも婆さんはその言霊では逝かなかったんだ。
ノスタルジー、と言われてもその時代知らんからそのへんはよくわからんかったけど、それでも楽しめるつくりだから大衆的であれると。
そしてその時代を「古きよき時代」にしてしまわない姿勢に好感。
きちんと、"差別"という言葉を用いて差別を描く。
『トカビの夜』好き。
ユキオが、同調圧力に負けてチェンホにリモコン戦車長く遊ばせたれって言えなかったの、「些細ないじめ」で済ませることだってできたのに。
唐辛子ぶらさがる家々……地獄だな。
そして差別した負い目があるからチェンホの霊を「復讐」としておびえる……人間心理を上手く描いたなあ。

『妖精生物』期待してたけどこれは偏見なぞっただけの話だったな……。よくある憎しみの連鎖。
どうしてこう女性差別描くのにエロの意味での「性」をお約束のように盛り込むんだ。