真昼の淡い微熱

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春の呪い/小西明日翔

うわあすきだこれ!
私に響く「恋愛関係にならない男女」ではなかったんだが、呪いに縛られる二者間の湿気まとわりつくような関係が好き。
「日常会話らしい日常会話」描くのぴかいちだなすげえ。脈絡ないようであるような日常会話の微妙なラインを駆け抜けてかつ話の本筋にぴたりと収束していく整頓された美しさがある。

キャラの人生がきちんと見えてどんな人間であるかどうしてこんな性格になったのか少しずつ明かされていきそれにより心の距離がはかれるだけで面白いっていう。
そして巻末の引き。あーこれは計算上手い人の引き方だー気になる。

やべえよな、恋愛感情を自覚するたび罪悪感とそのストイックによる快楽ってやべえよな。麻薬じゃん。
そして「それじゃあヘテロなのかっていうとそれもわかりません」この手の台詞そして言い回し、なんか今は、現代的価値観を取り入れ嗅覚研ぎ澄ませているかどうかの指標になってるな。
まあだから面白いというのは安直だけど少なくとも私はいれてくれて嬉しいです。