真昼の淡い微熱

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いまさら翼といわれても/米澤穂信

うっ……やられた……。
千反田さん、なんだかんだいって館に戻ってくるのだという願望持ってしまっていた……。
わからないように描かれてるけどあと4分。
いまさら翼といわれても……!!
奉太郎には説得できる資格も手札もない。
やられたな~くそ~。



そ!し!て!
奉太郎がかわいすぎるんだけど!?かわいすぎるんだけど!?!?
序盤からかわいくて3ページめくったところで一ヶ月くらい読めなくなったよね。
えっなんなん……米澤さんほうたる萌えだよね……明らかに自キャラ萌えでは……でなきゃサービス精神旺盛すぎるでしょう私がほうたる推しだから目が曇ってるわけじゃないよね二次創作読んでるのかとおもったわ……。
『鏡』は雑誌のときに読んだ。
ネットで「アニメに影響されてる逆輸入だ」と言われてて、でもそんなに実感していなかったんだけど、今読んだらそうだねこれは明らかに京アニ仕様の奉太郎だ……!!
かわいい!!つらい!
全編にわたって奉太郎を掘り下げた単行本でありがたすぎるな。

まずこんなに奉太郎がものを食べてる描写がね。これでもかと。
「もふもふ」だよ!?目を疑ったわ、トーストを食べる擬音が「もふもふ」!
もそもそですらない、あざとい奉太郎あざとい……。
焼きそばもトーストも冷やし中華も作って食べる奉太郎……そしてそれは必ず他人との関わりへと繋がっていく。コーヒーもラーメンも。
そうしてね、リフレインされる料理描写がね、『長い休日』に結実するのがもう最高。
「最低限の作業をなんてことないようにやっているけど意外と料理するんだ、そして面倒がらないんだ?」っていう印象を植え付けてね。
いやそうなんだよ本当に奉太郎の家事をこなすところも試験前にきちんと勉強するところも誰も見てないとこで他人の買った『氷菓』の代金を立て替えるところも大好きだよ……。
ついにその謎が明かされたのが感慨深い。
かなしかったんですね。
人の気持ちに敏感で、でも、人が自分をどう見ているかには鈍感な奉太郎だからこそ、気づいてしまったときにはその本心の棘が深く刺さってしまったのだろう。
大人しくて目立たない女子に、っていうミスリードも。
優しいんですよ奉太郎は優しいんですよ自分が少しばかり損をしてでも人を気遣うんですよ損をしたなど思ってないんですよ「小木はヘリが好きだった」なんて言いたくないんですよ。
だってただ言わなきゃいいだけじゃない。今後人に言いふらさなければ真実なんてどっちだっていいじゃない。
言ってしまったことへの反省こそが奉太郎を奉太郎たらしめている……。
その奉太郎が、やたらにえるに歌えなんて強要できるはずがないのよな……。

そして古典部4人みんな義理堅いな。なんて健全な高校生だよ。
だからこそ義理を破る(破りかねない)摩耶花とえるが苦々しくこの話を飾るのだな……。

奉太郎についてはまだまだ語れるな……やめよう……「フライパンを洗っていたはずだ」とか最高かわいいよね……。