真昼の淡い微熱

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誰も懲りない/中村珍

誰も懲りてねえー!救いようねえー!

途中まで普通に創作だと思ってて、やけに重い設定のひけらかしやな、いっそ陳腐やな、でも珍さんの力量がそうさせてないな、と思ってたんだけどノンフィクションかよ……!
漫画家志望あたりでんっ?てなって「小市さんて同性愛者なんですよね」でやっと確信。

だから私にとってはそのシーン、それ以上の意味は持たなかった。

けど後に「祖父に強姦されてたことは誰にも言わなかった」「だから同性愛者になったと思われたくなかった」ときて、うわーそっかって。
あのシーンでそこと相関関係見出だした人もいるんだろう、結果そういう人を欺いてたってことになるのか、と。
私みたいな読者、欺かれる読者、最初からエッセイだと知っててセクマイ理解もある読者、それぞれ違う感想を持たせる構造を持つシーンなんだ。
やべえ、すごい。

「強姦されたから女に走ったと思われたくない」うんうんうん!
ひゃー
いや、私はされちゃいないがね
たまらんかったわ



追記。
別にノンフィクションじゃなかったわ。
まあだとしても物凄い作品であることは確か。