真昼の淡い微熱

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地獄のガールフレンド 1巻/鳥飼茜

『先生の白い嘘』はこの世の不条理を取り繕わずに露出し物語に練り込んだが、こちらは日常会話の中の議論という形でデフォルメ化して問題提起した作品、といったところか。
あちらがしんどいので覚悟もしたけど、まあ、しんどい連載を二つ同時進行はしないよな。


軽いとはいえ中々痛い。小粒がぴりりと効いてます。
まず各話タイトルが面白い。

『たしかに子供は産んだけどお前らまで産んだ覚えはないっつーか』
『私の満足と、あなたの不満には、1ミリの関係性もないんです。』
『世の中様はわたし達の心に住んでらっしゃいます…と誰かが言った』

各話ごとにこのサブタイ読み返して感心してた。

鹿谷がめっちゃ小気味良く「下衆な男」で『先生の白い嘘』の毒気を抜いてくれる感じ。
ホモソーシャルで称賛されるような気持ち悪い「僕ちんゲスいでしょ☆」って下衆さじゃなくて自覚的に描かれるとさっぱり気持ちいいものだなと。