真昼の淡い微熱

感想ブログ

ヘンな論文/サンキュータツオ

面白い。
こういう、ヘンな、誰もそんなことしないだろ!っていうことやってる人とか、好きなものに多大な熱をかけて惜しまない人、大好き。
それを「論文」というファクターから見ていくタツオさんも凄いな、と思う。
読んでて、去年やった歌詞分析をきちんとした論文にしてみたくなった。(分析分類方法明記してないし雑なとこ結構あるので)
あとリバBL分析も早くまとめたいんだよなあ……。


感動したのは『「コーヒーカップ」の音の科学』。
研究とはなんたるか、統制条件を整えては比較する、そうして初めて真実が浮かび上がってくる。
気の遠くなるような作業だ。


『「浮気男」の頭の中』、この研究対象の6人ポリアモリーだろ。
研究対象条件の「夫婦関係に不満がない、奥さんとの関係は良好、奥さんへの愛情がある、彼女とも真剣」、
まんまポリアモリーの条件である。
言い換えれば「モノガミー社会におけるポリアモリーの苦悩とその昇華過程」というところかね。

そのためタツオさんの最後の一文はイラッとした。
「世の奥様方! くれぐれも旦那さんの前を、裸で「びー」と歩かないように」p52
歩こうが歩くまいがポリアモリーには関係なかろう。
無知ゆえの言葉にせよ、夫の浮気を妻側のせいにまとめる偏見の露呈がみっともない……。

でもポリアモリー研究においての価値はあるよな多分。タツオさん(浮気を羨ましがるシスヘテロ男性)の紹介方法含めて。
無意味なように思われることが実は役に立つっていうのも熱い。

前人未到の湯たんぽ研究は熱さの極みよね。
江戸時代に歴史的空白があるとかその考察とかめっちゃ面白い!!
培ってきた研究スキルを全投入して湯たんぽ調べあげるとか……伊藤さんの人生凄すぎる……。



こういうことにアンテナ張れるのは魅力だよなー。
いいなー面白いなー。
膨大な研究の限りを、その精神を、こうして伝えてくれるタツオさんの役割って結構貴重だ。
最近東京ポッド聴いてないけどこっち聴こうかな。