真昼の淡い微熱

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あやつり左近

アニメ版。昭乃さん参加作品14作め。
正直そんなに面白くなかった……。

ミステリーとして派手なトリックがあるわけでなし、謎の解明を通して人間のリアルな闇や良心を炙り出す心理劇なわけでなし。言ってしまえば、凡作。
無駄にドロドロした関係が繰り広げられるやつな。
殺人の動機付けもなんだかなーと。「悪事がばれたから」とか「復讐(あまり感情移入できない)」とか。
「この中に殺人者がいるかもしれないのに一緒に居られるか!俺は別の部屋に行く!」を聞けて満足。

最初の廃校の話は犯人があっさり自殺して終わったけど、飛騨の幽霊話は自殺を試みるも逮捕される筋書きはまあ好き。

・廃校
・二面鬼とタレント旧友邂逅
・人形師復讐。右近修理。猫の死
・紫陽花の色。殺人道具の日本刀が折れて自刃
・ファラオの剣アリバイ崩し
・薫子の見合い。能の跡継ぎ問題殺人
・医療ミスで復讐。死んだと思ってたのに生きてた。ビデオ
・左近跡目を継ぐ。絶えた対抗家系の復讐

こんな人形ミステリ連作短編。



しかし左近はかわいかった。
事件の解決時に説教しだすのは鼻につくけど、年上のおねーさんたちに予測不能にいじられたりしてわたわたしてるのとか最高。
右近が焼失してしまったかもしれないとなったときの動揺ぶりとか目覚めそうになったよね……。
性別無性かなって思ったが男自認っぽい台詞はあったな。

お母さんの「疲れてるんじゃないの?」に返す、「いえ。そんなことないですよ」の台詞がめちゃくちゃかわいくて……。
「そんなこと」の言い方がね。緒方恵美さんですよ。最高。



昭乃さんの起用そんな合ってもなくね?って思ってしまったけど、物語を締め括るイントロ付きEDのしとしとと砕けるような儚さはとても美しい。
かと思えば殺人ビデオの男の悲鳴からぶつ切れる形で「叶えて……」とウィスパーボイスの導入には唸ったね。
最終回ED2番は拳を振り上げる。
2番限定でAメロに跳ねる琴の音が綺麗で!浮き立つね!
『叶えて』こんなに聴いたの初めてだから「その指で……」の含んだ感じの歌い方の良さに気づけたのは収穫。