真昼の淡い微熱

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地球防衛家族

す、すごい。
見渡す限り地雷源だ。
いや、見るのが苦痛なわけではなかった。
だからといって面白かったわけではなく、この家族をどう決着づけるのかひたすらハラハラしてた。
要はこのひっどい描写の数々が自覚的であるか、緩和できるか、美談化されるかが気になって。
昭乃さん参加アニメラリーしてなければ1話で切ってた。15作品目。


大が特筆してひどいな。7歳児にして典型的ミソジニスト。女のくせにとほざき、子供だからって悪びれもせず女体消費。家族ですら性的存在として扱う。
最終回でいきなり「紳士」(あたりまえだけど)になられてもね……。
叱咤激励も全然心に響かない。「姉ちゃん自分ばっか我慢してると思ってるだろ」って、望が我慢してるからお前不自由なく生活できてるんだろ……。
2001年の小学生がこれで特に矯正されないの、何より本人が可哀想。同世代の男の子はもっと人権意識ある。将来誰からも相手にされなくなるよ……。

望の扱いがね……。
2話の回想聖子の「望は良い子ね」抑圧に望がなにくそと戦う姿ぼろ泣きした。
これは最後に「仲直り」して美談化されるやつだ、と暗い気持ちになったのだが、結末さらにひどかった。
の、望の境遇全く改善されない……!聖子は望に目もくれず大しか見てない……!!
こんなことってあるかよ。家族に約束すっぽかされてカラオケ行ける子になってよかった。でも用意したパーティーごはんとか最後まで可哀想すぎる……。

聖子は家事も家計も望に押し付けて子供ほったらかして良いところひとつもない。
しかし聖子は毒母として描かれてるからまだましで、同じように押し付けてるはずの衛が毒父扱い皆無でげんなり。
衛のだめなところは情けないところじゃねーよ。自分が人の親だと微塵も意識してないところだよ。聖子と同じ。
望が家事やることになんの疑問も感じてないよな。聖子がやらないなら自分がとか思い付きもしてないよな。
それで戦闘時いきなり饒舌になって頼られるとか、ファンタジーもいいとこ。

大の担任の先生の扱いがもーね、ひどくてひどくて。
性的消費されるためだけの存在。そして「スカートめくりや諸々は全部愛情の裏返しだったのね♡」って、やってらんねーわ。



とまあ、1話時点でここまでの描写が今後くるとは覚悟してた。
しかしセクマイ系地雷まで踏んでくるフルコンボだとは思ってなかった。

無差別にハートをばらまき芽吹かせ吸いとる怪獣のくせして、芽吹いた愛は全部異性同士で、全部モノアモリー。無自覚ヘテロセクシズム。
しかも恋愛感情を持たない人間があたかも世界で望一人かのように描き、それを家庭由来の欠陥人間として描出。




とにかくひたすら恐ろしいアニメだった。ここまでキめてくる作品なんか早々出会えないよ。もはやわかっててやってるサイコホラーだろ。
こんなんでも「家族」です、と見せたかったんだろう、とはわかるし、その点だけ見れば00年代的であろうが、もっと人倫に即した「変」な「家族」なんか80年代ごろにはとっくに少女漫画界ではセオリーだったって。

他の部分でも衛はクビ切られたし億単位の借金は抱えてるし、何この絶望ホラー?
せめて借金はご都合に帳消しになるものだとばかり。元々詐欺だし。