真昼の淡い微熱

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ななしのアステリズム1,2巻/小林キナ

web版で読んでたので買わなくていいかな……と思ったけど表紙かわいいし巡り合わせで買ってしまった。


これはいい三角関係!
なんか「恋愛感情じゃない」という読み方もあるらしいけど、私はそうは思わない。
「想うだけでいい」「付き合いたいと今は思わない」「中学生」というのがその根拠ならばあまりに恋愛の幅が狭い。
想うだけの恋愛をしているんだよ。中学生でも。
これは相手にだけ持つ感情だ、という赤面描写がこれでもかと散りばめられているじゃないか。
少なくとも司と鷲尾は今のところノナモリーっぽいなー。

絵がかわいくて瑞々しくて。
琴岡の「司もいずれ男と付き合う、それが普通じゃん?」という台詞が凄くよかった。
鷲尾への牽制と、司への想いの抑制と、凝り固まった思想(つらい、中学生にそんな思いしてほしくない)。
この台詞が単に作中肯定される、ないしはあとで否定されるためだけの意味になってないのが現代的だなと。
男の娘も肯定されて馴染むし司の男口調もたしなめられないしBLの予感もあるし、今後安心して期待できそう。

こういう作品でこそ「普通」の規範破壊が生きると思う。
ので、私は、琴岡推しです!
凝り固まった思想を破壊されて泣いてほしい。
百合ポリーエンドの可能性も高いので期待があるけど、「恋愛じゃない」という誤解を読者に与えたままでは嫌だな。
ますます誤解されて、せっかくの革新的描写の数々が既存の規範に回収されてしまうから。
ちゅーぐらいはしてほしいものです。

てか朝倉くんの口調が気になる、完璧リア充っぽいキャラ付けがされてるのに口調のせいでリア充感がなくなってる。
そういうキャラ観で別にいいのか……?