真昼の淡い微熱

感想ブログ

昭和元禄落語心中

アニメ版。原作既読。
面白かったー!
菊比古と助六メインなのかー。

アニメで『落語心中』をやるんじゃない、落語を死なせないためのアニメだ、これは。
キャスト発表されたとき声優さんの豪華さに驚いたものだけどこれはこれは真価を発揮するというもの。
すごい。
それでいて、「アニメならでは」として噺の中の物語のイメージ映像を出すことは極力しないんだよね。
これは原作を汲んだ結果だろうか、それともこれも「身ひとつ」という落語の芸を魅せるためだろうか。
様々な角度から舞台の上の芸人を撮して、それで噺をかたどり、飽きさせないの。

てか菊比古こんな助六のこと好きだったんだな。
小言を言いながら髄から「惚れてる」描写の丁寧さ。
そして画面からにじむ気品と色香よ。
えっろいわー。
みよ吉の魅力もひたすら演出と声に支えられていた。

落語と心中なんかできっこない菊比古の奥底が、ここに描かれた。
初太郎の横で銭湯で泣いた日から、もう、一人ではいられなくなったんだ。
12話の現代編に戻る次回予告でまさか泣くとは……。

二期嬉しい!つーか分割か?
落語心中はここからだよな~~。
ひとつの台詞に色んな想いが詰まっていて、でも削ぎ落とされて尖鋭化してるんじゃなく、絞り出して濾過されてるから一滴でもこんなに響く。