真昼の淡い微熱

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輪るピングドラム

そうそう見たかったんだよな~と思って何気なく見ていたら11話でうわーーーーーー!!!!ってなりました。
事件!テロ!地下鉄!丸ノ内線!16年前!95!!!!
私が見るべきアニメでした……。
慌てて3話見直してだめ押しの「3月20日」に戦慄する。

いやなんかどこかでうっすらそういう話を聞いたことはあったけど繋がってなくて忘れてたんだよなー。

でもモデルに留まっていたのは少しがっかり。
うーんそこをそっくり描いて喜ぶ(というのは語弊があるけど)視聴者なんて私くらいだと思うけどさー確かにそんな描写されてもって感じだけどさー。
でも例えばB29とか特攻とかモチーフに出すのにその史実の背景を完全に否定する作品になってたら文句のひとつも言いたくなる人はいると思うんだよ。
私はそれだよ。
オウムは大それた大義名分のもとにサリンを撒いたわけではない。
理由はそんな単純明快なものではない。
オウムが人を殺し始めたのは不幸な事故で麻原が人の死を救えなかったのがきっかけだし、武装化は社会の是正ではない、むしろ復讐といったほうがまだ正しい上に、人殺しは入力足りずに察しろと圧力をかけるグルと過剰な忖度をするサマナの共犯関係でサリンもそう。(ついでに単純に「強制捜査を避けるための撹乱」という表面だけ見ても意味はない)だからそもそも決起会みたいなものが成立しない。
大義名分による政治的テロ、という構図を採用するなら安直にオウムを引用してほしくないわ。オウムはオウムで社会の歪みを一身に引き受けた存在だったわけだし。

日記の「指示」を完璧に遂行しようと奮闘する苹果は、全体像は見えないけれどとにかく上からの指示に忠実な(一部である自分が失敗したら全体が完成しないと躍起になる)サマナでは?と思ったりもしたけどそこまで重ね合わせても得られるものはないかな。
ああ、でも、オウムと家族の問題は切っても切れない関係にあるわけでそのへんはまあ何かしら読み取ってもいいのかしら。オウムの出家は縁も財も何もかも捨てる形式だからこじれにこじれた家庭が続出したしそもそも麻原の家庭が機能不全だった。


愛と家族と運命の物語。
泣くことはないかなと思っていたけどラストにやられてしまった……愛による死を選択した者へのご褒美なんだよ!(うろ覚え)
一気見してよかったな、伏線とその回収を拾える。
愛を与えられなかった子供たちが戦って、「生存戦略」して、どうにかして生き延びようとする話……そんなん弱いに決まってる。
『ROCK OVER JAPAN』が凄く好きなので音源買おうかな。ももクロちゃんがカバーしたというのもわかる。
ピングドラムってマクガフィンだと思ってたけど、まあマクガフィンみたいなものだったけど、それよりはもう少し必然性のあるものだったのかな?
ピングドラム」という名に必然性があったかはわからんけど。