真昼の淡い微熱

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しまなみ誰そ彼2巻/鎌谷悠希

加害者……被害者も加害者……。
美空さん、あそこでちゃんと怒れるんだなって思った。でも、最初はなにが起こったのかわからないのも。
つーかそもそも痴漢を、冤罪ネタとしてでも、性的な表現方法でも、男や女に醜悪なステレオタイプを押し付けるでもなく人災的恐怖として描ける漫画自体稀少だよな……。

椿くんのお父さんの無邪気なアウティングにもぞっとした。一橋の事件のこと忘れられない。(あれは完全に「無邪気な」ではなかったけど!!)
もうね、たすくの、「何故椿くんが自分を知っているのか」で瞬間的に自身のトラウマシーン甦るのがね。
あんな些細な一幕でしかないのに。ないのにたすくにとっては人生をも左右するっていう……。
でも椿くんもそのときのこと覚えてるというか噂話は聞いてたのかな?
意味深なラストである。金魚救うときの美空の叫びはあとから思い出して印象的だったとかなら笑うな。