真昼の淡い微熱

感想ブログ

カカフカカ1-2巻/石田拓実

……累計100万部?!
書店で帯見てびっくりした。全然知らなかったぞ石田さんの最新作とか。
電子で何を1部と捉えるかにもよったりする?

そして意外と面白かった。なんだかんだこういう少女漫画好きなんですよね……。
数年ぶりの再会とか無口(堅物)だが愛だけは重くて積極的な攻めとかそういうBLによくある要素が……。

相変わらず下品さが下品だ。
そこまでくるならヤっちゃえよそのほうが潔くて上品な下品さになるよ……?
なにげに実践オープンリレーションシップ的なポリアモリー的なアセクシャル的なキャラが出てくるのもひっくるめて安定の作風。


キャラたちの関わりとか絶妙に微妙な心理描写キャラの提示とか今回そういうのが上手くハマってて面白い。
長谷さんとあかりさんのキャラ紹介に進む流れとか気持ちよかったよね。
ふたりとも本行に深いかかわりがあってそこをとっかかりに本行を中心として紹介され、展開もそこに絡めて持ってくる感じ。
4人ともキャラが掴みやすいのに型どおりでもなく機械的ないやらしさがない。
これはでかい、読める。
展開読めるけどでもなぜスムーズに進まないかの理由が、嫌というほど繰り返される亜希の自尊心の低さのかかわり。
丸々2巻、主人公が自分から動くこといっこもないびっくりするほど受け身も受け身でイライラしてくるが、そこにプラス捻りというか一深掘りしてるからつい読んじゃうんだよね……。
色々とかなり自覚的だからその処理が気になる一心で。
「判断丸投げ!?」じゃねえわこの状況許したのはおまえだおまえ、自分の責任ちゃんと見ろ、自分で判断しなくてどうする。
と糾弾したいところだが、受け身なまま自分の望む方向へ連れていってくれる甘美さね……。
突きつけられるよね。痛いところを。
気持ちよく甘美でいさせてくれる作品じゃないと思うので楽しみなのだ。

いや、でも結局主人公受け身なまま終わる可能性もあるから油断はならんな……。