真昼の淡い微熱

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羅小黒戦記

素直に面白かったな~~~。
ジブリ時々アメコミみたいな……。なるほどアクションがきもちいい。

最初の構成がふしぎで面白かった。
ふつう、最終的に無限と小黒を組ませると決まっているのであれば風息に保護される前後で意味ありげに無限がちらちらとカットインするだろう。
けど、これはそういうことをしなかった。
最初に「風息と小黒の交流を基調とするのかな?」とミスリードした。

そうでなきゃならなかったんだと思う。観客を混乱させてでも。
風息が小黒の「はじめての保護者」だったから、どんなに風息にひどいことをされても小黒は憎みきれない。
「小黒が憎みきれない」ことを観客は「理解する」だけじゃだめなんだよな。
(例えばアバンで意味ありげにちらちらする)無限に気を取られて風息への不信感を拭いきれない……て思わせちゃだめで、観客も最初に風息に好感を持つからこそ、風息の思想や小黒の戸惑いに同調することができる。

混乱させてでも同調させたい、という構成的判断、潔くてすごい。
俯瞰させない、小黒の視線をきちんとトレースさせる。
「(神視点だと無限はイイヒトだってわかってるんだから)早く無限側につきなよ小黒!」ていう謎俯瞰イライラも発生させずに済む。
そりゃあすぐ警戒とれるわけないだろう、てすんなり思えるのも、この構成のおかげ。
小黒のきもちにめちゃくちゃ寄り添ってる。
真摯。


なんか、そんな感じで、スタイリッシュで世界向けだった。
世界向けすなわち私向けではないのだが、ただただ素直におもしれえ~~~、でした。