真昼の淡い微熱

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精霊の守り人/上橋菜穂子

5時間で読みきれる長さなんだな~。軽かった。
当時感じたより面白さは減少した気がするけど、音のない集中して読めるとこで読んだほうが良かったかな。
最後だけそうしたら染み入ってきたのだが。

見えない世界がいまここの世界と重なっている、という、幼い頃の妄想が物語化されていたこともハマった理由の一つだったかもしれないね。



実写化情報に伴い、実写化した場合の映像が脳内に浮かび上がって辛かった。
実写だと表現制限されるじゃん。臨場感のない映像が辛かったんだよ。




たしかにシスヘテの世界だなあ……。
昔はバルサとタンダの関係描かれると嬉しかったけど今はいらないな。くどいっつーか、いや恋愛?描写もっとささやかでいーよと……。あ、シスヘテ世界とは関係あんまないがね、これは。
そしてナチュラル男尊女卑。

あと宗教否定の否定というか、尊重せねばならないってことが描かれてたのは良かった。


死生観。
ラルンガから文字通り必死の思いで逃れた直後食用に鳥を殺し、チャグムの兄が死ぬ。
その、後者ふたつのあっさりとした描写が恐ろしい。死とは「あっけなく、ありふれたこと」なのだ。

そしてチャグムは運命にまた縛られる、という。
世界の無慈悲さとそれを受け止める登場人物たちの覚悟が、間違いなくこの物語を骨太にしている。