真昼の淡い微熱

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狗神の花嫁/樋口美沙緒

花嫁もの初めて読んだなー。
あーやはりこの作者ストーリーテリング上手いな。
余すとこなく、という感じ。おばあちゃんへの想いがきちんと消化されるとか。墨田が最後にまた出てくる、それがテーマを表すシーンになるとか。それでいて引き際もちょうどいい。
テーマも一貫してるし、BL小説で伏線の体裁が整ってる伏線って中々珍しかったりする。
比呂が狗神の真名を思い出すところとても綺麗だった。
相変わらず純愛に関する見方は居心地悪いけどこれがあるから話として面白くなるんですよ。馴染もうよ。

設定も結構作り込んであって説得力にかなっている。きちんと背景を描こうと。だから切なさが際立つのよ。多少の突っ込みどころは気にしない!
起承転結が明確で、緩急づけも適当。ドラマチックな場面と日常のイチャイチャと過不足ない濡れ場。これら全部繋げる線が凄いな。
お前は愛が多すぎるぞ!w
素直な狗神超かわいい。ほんとマロンみたい。他の犬相手してるとだだーっと走ってきて自分が撫でられようとするの。
茶目っ気のある藤も好き。

あとここにも「守り」合う対等BLが。