真昼の淡い微熱

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男しか行けない場所に女が行ってきました/田房永子

田房さんほんと発想がすごいなあ……。
ガスコンロセックスとか、犬猫の中に一人だけ人間の女がいたから惹かれるとか、近藤の崖とか、10代男子の性欲の「微笑ましさ」とか。


おっパブって気持ち悪いな……。
なんだろう、他の風俗はそこまで思わなかったのに、おっパブだけ凄い気持ち悪い。
「男同士のコミュニケーションに女体を必要とする」ってとこかな……。


気軽に女体消費してみてーな、ソープとか一度は行ってみてーな、って思うことはあったけど、読んで思ったのはここまで「女」と「人格」を切り離して消費するなんて、私には無理だ。
「はしゃげない」。
だから妥協点としてアイドルを消費してるのかもしれない。


「女は40代が一番性欲強くなる」説に、「年を取らないと女は性欲があることを表に出せない」って言ってくれたの、ほっとした。
そうかー、嫌だったのよ。意味もなく年齢の影響だけでムラムラする時期が待ってるのかもって思うの。



一番共感した箇所、
「好きな男といる時なんかよりも、「プーさん」として話さなきゃいけない時間が一番、「自分の中の女」を感じる」
これ!!!
処世のために、他の女の子を上げるために、自分の身を守るために、道化師でいなければならないその時間!!
この、「好きな男と一緒にいる時」って所、世間的な価値観もそうだけど、それを反映した少女漫画文化に長く浸かってきたわけだから、これを「なんか」と言ってくれるところに小気味良さある。


ただ、最後のAKBの章は、手放しに納得はしたくないな、と思った。
AKBはそんなに知らないけど、私はアイドルを消費している側だから。
「童貞が風俗嬢に食われる」という表現、えっそこまで性風俗に絡めるの??って笑った。
それはドルヲタとしての実感とは遠い言葉だ。
私はアイドルに「全肯定感」「多幸感」を求めていて、それは風俗嬢でも与えられるかもしれないけど、必要項目ではないよね?
圧倒的な存在感や何かを伝えようとする搾る想いに、「食われた」ように放心することはあるけど。
まあ私アイドルの露骨な性の部分はあまり見ないようにしてるからこれも一面的な見方ではあるんだろうが。



なんかこれの感想で「田房さんはフェミではない、男そのものではなく社会構造に問題意識と怒りを持ってる」みたいなの見かけたけど、フェミニストミサンドリー関係ないだろ……。
フェミ=ミサンドリー(だからバカにしていい存在)って思ってる人いっぱいいるんだろうなあ。
いやミサンドリーの人もいるしそうでない人もいるよっていう……。