真昼の淡い微熱

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オハナホロホロ/鳥野しの

全6巻。良かった~。
多様な家族の形を肯定してくれる。
「あるのはただ結果だけ」、「何かを失っても代わりに何かが手に入るわけじゃない」、とか、結構くるものがあった。

言ってみればゆうたはヘテロセクシズムの結果生まれた子なんですね。
同性愛は少子化ガーって暴言への反論で、「じゃあ同性愛者は好きでもない人と無理矢理子供作れってのか、皆不幸じゃないか」ってよく言われる。
しかし、そこで、生まれてしまった命とその後の生活をどう幸せにしていけるか、って話だ。
どんな出自でも幸せになれるんだよっていう。
「あるのは結果だけ」だ。

みちると麻耶の関係の揺れ動き、すげえなあと思う。
ダメかも結ばれないかも、ってハラハラを引き出しておきながら、最後はしっかり結ばれる。
男が出てきて、それで男女でくっつくわけではなく、そいつが嫌な奴でもなく、むしろキャラと物語を支える強度を持った人間として描かれるところは『彼女とカメラと彼女の季節』的だ。
もっと増えろこういうの。

ゆうたを拠り所としてるニコくんって構図も凄く好き……。