真昼の淡い微熱

感想ブログ

境界のないセカイ1巻/幾夜大黒堂

いやはや出版されて良かった。
セクマイ界隈では連載中止になる前からちらほら話題になってたけど読んでなかったのよね。



ただ何が問題とされて連載中止になったのかすっかり忘れてたので、ふつーに読んでて5話、「人間皆恋愛する」「女になったら男と恋愛する」価値観には引っ掛かりを覚えたよね。

しかしこんくらいの表現、世にいくらでも氾濫してますからね。
いちいち抗議出せるレベルの数ではないんですよ。
せいぜいこうしてネットで感想書くくらい。


この程度で(この程度、じゃなくてもだけど)「自粛」されてしまうのは、こわい。
このブログだって、ハイコレサベツ~って手軽に垂れ流してるもんな。
別のブログでもまとめて紹介してたりするもんな。
隠れてやってるわけじゃないから、供給側の人がたまたま見かけて、「自粛」してしまう可能性もあり得るわけで。こわい。
こっちはこうしてネットの隅で指摘することも単に娯楽の一種だったりするんですが……。

むしろこの程度の描写が問題であると気づけたマンガボックス、凄い。
だが、対応が最悪すぎた。
作者の提案通り中和案でも織り込んで自覚的であることを仄めかせば、私もふつーに読んでいても却って褒めそやしたろう。
いずれひっくり返される安心感があるから。(この騒動で作者の意図が開示されたから、今私は安心感を得たまま2巻以降読み進められる)
でも事なかれ主義の全部削除は日本企業の悪癖だよ!



さて内容なんも語ってない!
お色気ありのラブコメ普段読まないからわりと新鮮。
それでいてTG問題社会問題を忍ばせるの、上手いな!
中々画期的。
重苦しくせず描ける時代が来たのだ。嬉しい。
「重苦しい」問題提起の作品だと、どうしても読者層が限られてしまうからねー。
そして何気なく「女同士でも胸揉まないよ」ってコマがあったのも好感。
薄っぺらい描写で済ませる気がないのね。
今後がとても楽しみ。