真昼の淡い微熱

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妄想代理人

きっつい。
徹底的に「妄想に逃げるな現実に立ち向かえ!」ってメッセージ。
最初はああお洒落な演出で現実と虚構を混乱させようってやつかなーって思ってた。(朧気に覚えてる『パプリカ』もそんなイメージ)
けど2話がきつくってね……。金の靴。何がとは言わないが。

「生きづらさに追い詰められた人を救済する」少年バット。
少年バットが現れてほしい、殴ってほしい、そうすれば自分は全てが救われる。
上手いメタファーだよ……メタファーっつかなんだろうそれこそ妄想の具現化として。
9話の『IQ』なんか誰もが考えたことのある発想の調理が面白かった。覚えた単語がくしゃみで飛び出る受験生。

2004年作品。
今なら大学院出のコンビニバイトのキャラとか出てきそう……と思った。なんだかんだ今より景気良かったんだなって。
マイホーム建てるのに借金末に強盗なんて、まだ退路あるじゃんって。

10話の『マロミまどろみ』は目が離せなかった。
猿田の出来損ないっぷり言い訳がましさがなんかもうすごくリアルで……!
自分もやらかしそうなミスの連続に胃が痛い。
てか『SHIROBAKO』のタローってこの縁で吉野裕之さんだったんだw
猿田見るとタローは絶妙なバランスで描かれてたんだなと。短所も長所になるし。
アニメ業界への皮肉だけれど、今敏さんが若くして亡くなったのは無関係ではないのでしょうね……大きな原因は不摂生のようだけど。

「居場所がないのが俺の現実」「マロミごめんね」はうるっときた。
何かのせいにせず素直になることでこそ立ち向かえる現実……。