真昼の淡い微熱

感想ブログ

コンプレックス・エイジ 5~6巻/佐久間結衣

「苦しいのもひっくるめてわたしは今が一番だよ」、泣く。
そう言えてしまうまでの今までのすべて。

「好きは呪いだ」。ここにこの作品全部詰まってるな。
趣味とは何か。趣味に人生をかけた人たちの話。
ああ、ウルルコスやめちゃうんだ、と落胆したけども、これが作者の考え抜いた答えなんだなあと。
物議をかもした読みきりと印象は違う。
ずっと同じように続けていくことは「できない」ものだと。色んな要素から。
公子がやめてしまう理由が結婚ではなくてまあよかった。限界を見てっていうのも悲しいし、裏切られた気持ちも悲しい。
それでも関わりつづけていく。呪われた好きを背負って。
そして公子のドレスを作って捧げる渚にまた泣く。百合だ。

渚母の友人がアンティークショップを開いてるの見て、一瞬あー仕事にならなければ趣味は認められないんだよなあと思ったけど、「仕事にしちゃえば誰も文句言えないでしょ」で考えを改めた。
趣味を貫き通す意志としての仕事、か。
だから渚の行き着く先も起業だ、と。