真昼の淡い微熱

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楽しいムーミン一家 ムーミン谷の彗星

ムーミンこんな話だったのか!!
シュールでかわいくて楽しかった。
冷徹だけど愛があり、愛はあるけど簡潔で。

もう本当に「わたしのどこを見ているの」「君の前髪だよ」がツボで仕方ない。
最終的にくっつくカップルの愛の芽生えが「前髪」でいいのか?!
どこのギャグシーンも一応大体ギャグとしてまとめてくれてるのにここだけ特に視聴者に受容させる秒数を取らずにさらっと流されてしまったところも本当にツボ。

あとなんかもうちょっとスナフキンてさすらいのニヒリストみたいなイメージを持ってたんだけど人食い草にあらんかぎりの悪口をぶつけるとか意外で笑う。
しかも人食い草をズタぼろにやっつける意味が特にない。


いやでも、話があっちこっちに飛ぶのにちゃんと「彗星がやってくるらしいので確認のため旅に出る→もうすぐ衝突してしまうと知る→早く家に帰る」という軸が明確だから安心する。
あちこちに飛ぶ話をちゃんと楽しめる。

基本みんなどこか変てこで、それに対して多少戸惑ったりもするのだけど排除されずに自然に共存していられるこのホーム感が好きだなあ。
ああ、特になんの前触れも必然性もなく変てこな新キャラが次々登場するという構成もこの印象に一役買ってるな。

原作者が反戦家みたいなことはうっすら聞いていたけど「彗星は原爆の暗喩、みんな変だけど共存できる理想郷を描きたかった」という話を聞いてなるほどなと思った。
危機にさらされてものんきにしかし防衛はした上でやり過ごす彼らの強さ。