真昼の淡い微熱

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蒼穹のファフナー5巻/XEBEC/松下朋未

ローンドッグ野郎いただきましたーー!!!


ごめん……翔子よりも先にインパクトが……ローンドッグ野郎いただきました……待ちわびていたよ……。

だってしばらくは、、模擬訓練時まででさえ、態度普通に見えたじゃん。
普通ではなかったけどアニメ版に沿っていたじゃん。
あれっこのままなのかな?小説版甲洋スルーかな??
……と思いきや。思いきやの。
模擬訓練を挟むことで毒親強調し追い詰められ度増している。
甲洋の心理描写くそ丁寧だなあ……最高と呼ぼう……。
甲洋の優しさがね。どの媒体より随一優しさ増し増しだった甲洋がね……この蔑みの目めちゃくちゃ興奮するな!!!?
待ってました。


墓の一騎の「俺は平気だ」も満点だと思いますね……そして総士もそれに突っ込めないっていう……いいなあ14歳。そこに立ち戻る。
海辺でも決壊しない、まだオチない、平気だって言い続ける。

バーンツヴェック稼働確認で甲洋が翔子から目を離すとか、リンドブルム調整中だから一騎が追い付かなかったとか、毎度ながら地味な繋ぎの説得力感心ばかりだ。

ちゃんとジークフリードシステムからのアクセス不能も新型フェストゥムも強調してるし、保さんの「大人をなめるんじゃない」を食って確固たる意志を見せる総士とか調整中のリンドブルムの性能を越えてまで追い付こうとするから翼爆発してしまう一騎の切実さの表現とかさあ……。
約束!! 一騎の約束……。
「これがやりたかったんですよね?!」感がすごい。
この、準備の整わないなかで誰もが精一杯対応してそのぎりぎりでの戦いで選択を貫いた者が完遂し翔んだ翔子に結実する。
このね、真矢ちゃんがこぼす言葉が「やだよぉ……」なのまじで真矢ちゃんのキャラが立っていて好き。
アニメはそもそも戦争の現実感がなかった子供たちの呆然が描かれたけど、そうだね、現実が迫りつつ受け止めきれない真矢ちゃんの心情は、「やだよぉ」だよ……あの顔で……。


あとさ浜に落ちてた部品、この場合マークゼクス確定になるよね? 他に破壊された機体もないし?
いやエルフの可能性もあるんだっけ?
暗夜航路ね。暗夜航路だ、一騎の一人落ちた海の安息。
泣くことさえまだできない一騎が決壊する瞬間がまた楽しみですね……。
甲洋のことが一騎を孤独に追いやり翔子のことが重たい枷になる描写を全面にやってくれると、期待してます。