2016-11-21 王とサーカス/米澤穂信 小説 衰えない鋭さ……。山場は殺しの謎解きシーンじゃない。そのあとだ。そのあとが米澤穂信だ……。荷車、荷車ね……。憎しみ。報道への、記者への、憎しみ。そして矜持。『真実から10メートル手前』の万智よりもずいぶん精神が幼い。報道に対する姿勢。匙加減うまいなあ。『さよなら妖精』まんまと読み返したくなる。キーワードのちりばめがそのまま伏線の伏線になってるの面白いな。キーワードで物事を繋いで、「あっこのワード前にも出てきた、なんだっけ」の想起を繰り返させる。太刀洗、の意味も。