真昼の淡い微熱

感想ブログ

乃木若葉は勇者である上下/タカヒロ/朱白あおい

機会があれば見ようと思ってたゆゆゆを偶然9月にdアニメで見て、偶然秋からわすゆの始まることを知り、たがわず毎週張り付き、百合の噂につられ銀ちゃんイベントからゆゆゆいを始め、偶然dアニメからもらったポイントが余りのわゆを購入……。
流れるような偶然の末路で読み終えた。




うっわ……。きっつ。
まさか4人ともだなんて。
ゆゆゆいでうたのんが若葉たちと同じ制服着てたから、もしや通信が途絶しても生存の可能性があったりしないかなと思ったんだよ。甘かったわ。
星屑程度に大苦戦を強いられる……。

描写が下手だな、と思うことはある、残念。だが千景まわりの話、描写さえうまくいってれば、めちゃくちゃ好き。
そうだよ。
聖人君子でない、いい子でない、内省しながらも劣等感を抱えて基本的自尊心が育ってないゆえに自己中心的なもろくて泥臭い子が見たかったちょうど。

なんで友奈ちゃんのことそんなに好きなのーー!!それが知りたいよ!
こういう子が無条件に信頼と思慕を寄せる理由が見つからないよ知りたいよきみみたいな子の百合が見てえんだよこっちはよ。
千景の家庭環境がこうすげえ生々しかった、創作で適当に悲惨さを与えられる場合の設定じゃなかった。不倫したのが母親側とか。

なんかさあ、ほんの些細なちがいというか、千景はたとえ誤っても、こういう死に方をしなきゃならないいわれなんてどこにもないじゃない、装束を解かれさえしなければ生き残ったかもしれないじゃない、そういうちがい、間一髪だとかそういうことじゃなくて、ひとつひとつは些細な悪い要因が、後手後手の状況で、こういうふうに顕在化してしまったからこそあんな無惨で惨めな死に方をしたわけじゃない、でもそういうふうになっていい理由なんてどこにもない。
でも、なってしまった、陥ってしまった、余裕がないからこそ。という。そういう時代だという。
描写さえうまければなーーーーーー!!!
演出さえ心にくればたぶんどハマりしてたと思う。
破ることのできなかった卒業証書とかそれは……とてもよく……つらい……。
千景の手記全削除とかもう……。

球子と杏の死に方もそんなんむっごいわ。
イラストがマイルドだからほっとしてしまったけど、別のむごいラフがあったという、こちらを見せられたほうが没入は深かったと思う。

園子ちゃんの先祖だということで、直系とは言うなよ、と思った。
勇者であるシリーズ、キャラ同士集まりゃ巨乳を羨ましがり恋に思いを馳せるから気が気でない。百合オタに媚売るなら売りきれ。異性愛を匂わすな。
まあうまく隠されてよかったけど。

テーマ、「みんなを守るから人間は強い」とか、「復讐心からの脱却」とか、そういうのは陳腐だなと思った。
終戦で友奈と若葉の絶叫大立ち回りはアニメ夏凜のリスペクトとか、これは声つきで見たいなあ。やはり描写が弱い。

不満はあるが最後に若葉とひなた決意に手をつなぐとかかっこよかった。
弱さを抱えているのはよい。