真昼の淡い微熱

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バリキャリと新卒/えすえす

うーんまとめて読む作品ではないなこれ……。

大人百合にしてはお仕事描写があった。
ひたすらデスクワークとかなにを売ってるかもわからない営業とかよりは細かくてよい。
だがそこで勝負するんなら既にあるお仕事ものBLと比較しなくちゃいけなくなるんでな。
お仕事しつつ恋もしつつ、で完成度の高いBLいくらでもあるので。(完成度の高いお仕事異性愛もそれこそドラマなどにいろいろあるんだろうが興味ないので言及できない……)
まあ、お仕事百合は黎明期と捉えるべきかな。
なにせまだ学生だけでない幅の年齢がきちんと需要されはじめたのもここ3、4年だしな。

そして「女が男社会で仕事するとは」みたいになってそれはそれでつらい。お仕事BLにはないやつがお仕事百合では通らざるをえなくなるのが……。

で、その描写もすごい雑なんだよな。雑っていうか、作者の力量不足?
「ネットの煮こごり!」って作中戯画化してたけどまさに。
まあネットの煮こごりをこうして可視化してまとめた点に文化資料的価値はあるかもしれないけど。
ただ「あるある」台詞を並べただけで「こういう男いるいる」とまでは思えないのが致命的。

肝心の百合ももっと風俗キャストと客っていう過去を使ってほしかった!
いや~~性産業従事者をスティグマ化しない、みたいな信念は見えて信用できるんだけどね。
そう作者の価値観は信用できる。
「百合と男」観点から見ても、なにげに意識的に「ミソジニストを出すぞ」と決意してる作品てそんなにないし。「嫌な男」「百合の邪魔をする男」はいても。
ただ関係性が即物的で萌えられなかった。