真昼の淡い微熱

感想ブログ

無限のリヴァイアス

みた。レンタルしたのにdアニにもあったのかよショック。
きっちり『蠅の王』を読んでから見た。どちらもずっと気になってたのに手を出せてなかったので……。


うーーーん。
なんだろう。なんて言えばいいんだろうか。
「女コワイ」って感想をいくつも見たけれど、蓋を開けてみれば別に女だけが怖いわけではねーじゃんうるせー……。

しかし男女入り交じるのが邪魔であったのも事実で。
「恋愛」って要素やトリガーって安易に手を出せるから陳腐になりがちなんだよなあ……。
レイプさあ……安易……いやわかるけど……テレビ的にも頑張ったのもわかるけど……。

極限の中で人間の欲望とか狂気が剥き出しになる作品を無性に見たくなるときがあって、だから『蠅の王』もこれも見たかったんだけど、私は「しんどくなるくらいのめり込める、狂気への描写に妥協がないもの」を欲しているんですね。そういうとき。
でまあ、私の「リアル」が生ぬるいからなのか、共感力に乏しいからなのか、あんまりのめり込めないことが多い。
からしんどくなれる感性の人わりと羨ましい。

……そういう、「恋愛・男女描写の安直さ」「私の共感力の薄さ」によって微妙~~~な感情を抱いた、というのが、いまの率直な感想。
最初から『蠅の王』を期待していたので1クールめまで退屈だったしね。
アバンからOPに入るところのコーラス毎回好き。。



しかしまあ、昴治、祐希、イクミのキャラはすごくよかった。
いや昴治の「主人公」力の著しい低さ、なのに昴治視点で追ってもストレスのなさ、バランス最強でしょ。
キービジュではメイン扱いだがどう見ても弟のほうが見映えする見た目。
操縦能力も決断力も抜かれている。
(これでファイナが早々に昂治を見捨てていたら完璧だった、最後に過去として殺そうとすれば本筋は逸れないし)
昴治の「正論」別に最後まで報われるわけじゃないんだよな……。結局助かったのは昴治のおかげではないし。
人一人がやれることってあまりに少ないけどそれでも……っていうテーマは、わかる。
一見合理的なように見えて長期的には悪手なシステムがことごとく失敗してゆくのもよかった。(特に、今の世の中から見たら)
でも、昴治の「正論」が本当に、映えない。いい感じの音楽でごまかしてるけど。「テーマを作者が信じてない」っていう感想見てそこかもなと思った。
ああ、『蠅の王』的なラストであれば納得したんだよな。だが下手にその先の希望を見いだそうとしたけれど理想論をやれてないというか……でもこの作品で多少ご都合要素の理想論をやる意味はあるのかとか……。
最終話の、イクミと一緒に喧嘩を止めていくシーンはすごいグッときたんだよな。
そこはテーマと噛み合っていた。結局、地道に同じことをやっていくしかないんだよ、昂治とイクミにできる最大のことは喧嘩を止めることだし、色々あって決裂した友情だって一人がやれることをやりさえすればまたやり直せるんだよ、という。
「洒落になんねえよやっぱ」、演技にぞっとした。


イクミは『蠅の王』で言うところのジャックか。
そうか、ジャックっているべきところにいさえすれば人望があって有能なのか。
イクミまじで最初お気楽でちょっとお調子者の親友ポジから始まるので豹変していく過程が面白い。
イクミが恐怖政治開始したときはテンション上がった。
暴力を止めるために最初の暴力を振るう矛盾最高。

祐希も保志さんだから下手に憎しみ一辺倒でなく複雑な反抗期感が全面に押し出されていて……。
でも最後も変に改心などせず、少しだけ融和した前進なのがよかった。
「わかりあえない」、「人一人にできることは少ししかない」の体現で。ほんの少しだけ、最後に兄を助けた。イクミだから。さすがに殺人行為だから。そこだけは踏み抜かずに済んだ。

選民と排除の過程がめちゃくちゃよかったな……。
視聴者のイライラを買うキャラから真っ先に追放されていき……だがそこに際限はなく……。
ルクスンの成長譚あまりにも丁寧で笑う。
あと最後のあおいとこずえの仲直りはよかったな~。

リヴァイアス人類の未来のために必要だって言ってんのになんで強奪するんじゃなくて壊そうとしてんのか全然わからなかったけど、私怨かよ~。あとヴァイアの影響?