真昼の淡い微熱

感想ブログ

Queer Eye in Japan

見よう見ようと思っていたクィアアイ。
日本版つまみぐいしよ……と思ったら4話一気に見ちゃった。

3話→4話→1話→2話
の順で見たけど4話最高すぎですね???
なにが最高かってマコトさんみたいな自分に自信がなくて感情伝えるの下手男性がドタイプなんだよな。

3話は「いうても自己他己変革て難しいよね……」みたいな気分で見てたんだけど4話はこれ、Fab5の皆さんが来てくれたから解放できた好例じゃないか。
本当はこういうきっかけを待ってた、ってやつでしょ。

あのねえ、「ヤスコさんは僕を愛しているか」。
タンさん、カラモさんによる誘導があったとはいえ、「ぼくは君を愛している」よりなにより先に「相手が自分を受け入れてくれているか」が重要になるこの臆病さ、卑怯さがねえ……。
そして愛しているって言ってもらった途端安心していかに自分が相手を愛しているかベラベラ語り出す、しかもそれが日々関わってる実在人間への言葉じゃなくてあたかも推しを形容するような言葉っていうのが……自己完結の愛煮込んでんな。"オタク"として完璧すぎてドタイプです。まじで。大好き。
そう卑怯なんだよな。実際。傷つくのを恐れて。
あーそう、『逃げ恥』の平匡さんなんかは、近いけれどまだお上品で。私が好きなのはこういう卑怯なひと……自己受容できてないがゆえにある一面では肥大した自己が中心になってしまうひと……。
カラモさんに抱きしめられて号泣してる姿最高……自分の愛が受け入れられていると実感した、そこでやっと自己の輪郭が得られることに安堵しているのが。
「自分の愛や欲や感情がそのままの形で受け入れられる」ってでかい。
誰にも受け入れられたことがない人って、感情を肯定されるだけで変わるよね。ほんと。

そしてこういう人こそ「女の呪い」を軽々解いてくれるんだよな私は知ってるぞ。
ヤスコさんの「料理も家事もしないしいい奥さんじゃないし結婚を後悔しているんじゃないか」って、ああーーそうかーーって思って、でもほんとどうでもいいんだよねそこって。
「レスになったのはメイド喫茶で働き始めてから?」て訊かれて、文化の違いを差し引いても、マコトさんが答える前から私はいやそこじゃねえんだよなーそこまじどうでもよくてやりたいことやってほしいんだよなーって吠えてた。勝手に。

んで分かち合えた途端鞄買ったり指輪(事前にサイズ測ってないっぽい)買ったりデート誘ったりはしゃいじゃうオタク男性……すき………………。
劣等意識から相手を絶対的存在にしてしまって自分の恋愛感情をぶつけてはいけない気がしてつとめてきょうだいのようにあろうと律してきた男性が感情の居場所を得て爆発させる瞬間ほどよいものはない。
「僕もやっちゃんを好きでやっちゃんも僕を好きで」っていう万能感、今まで臆病でできなかった分の解放。
完璧か??

twitter探したら夫婦で音楽つくっていて最高の後日談じゃん……と思った。
そう壁掛けギターすごくいいよね。
ていうか住居改造がどれもめちゃくちゃ労力かかっていてセンスよくてびっくりした。
こんな家住んだらメンタル変わるわ。っていうのが視覚化されて。


ふー。
4話だけ語ってしまった。(自己受容下手男性恋愛対象すぎる)
2話は「顔出し」「家族紹介(家族も顔出し)」のあらすじの時点で色々良好なんだろうな、と思ってたけど、なんか、良好だった……家族関係が……。
ああこれ、「日本のゲイのサンプルとなろうとしたのが出演の決め手のひとつかな?」と。日本の視聴者のために。ズケズケ性的なことを質問される抑止効果にもなるよな。
逆に言えば、そういう人ですら、周りからの偏見や目に押し潰されてしまいそうになると示す構成になっていたな。

実際押しつけがましさがないこともないんだけど、こういう人たちが励ましてくれたら嫌味なくすんなり受け入れられることってあるよなあ。
と思いました。
よかったです。