真昼の淡い微熱

感想ブログ

仮面ライダー555

仮面ライダー
幼少期もかけらも見てなかったのでまじで初。
なんだかんだ1話の掴みがよかったので1話がいちばん好きかな~。

あと巧が流星塾を襲ったオルフェノクだと判明した回、その後ぎくしゃくした回が好き。


いや、「なんで離れていくの、一緒に暮らそうよ」って往来で引き留めまでしたのに、やっぱり加害者と一緒には無理だって、心と裏腹に体が拒絶してしまうシーンを描ききるのは感嘆しましたよ。
あと「友達」!
彼らが友情を取り戻してゆく描写は丁寧だったし、恋愛の形にならなくてよかった。


だから、「襲ったのは実は別のオルフェノクで、巧は人間を助けようとした側でした~」オチになって残念だった。
巧には加害者としての苦悩と自分のことが信じきれない恐ろしさと過ちを背負ってそれでも人間を救済する覚悟を抱えてほしかった。


そう、「加害者としての苦悩」が弱かったんだよな~。
それを思うと長田さんはまだ背負っていた。
けど木場がな~~。
元婚約者殺しときながら、その事件を解明しようとしてた兄もオルフェノク化して事件はうやむやになり、特に振り返ることもなくなんか聖人面して。
スマートブレイン社長になったのも自らの罪ゆえに闇落ちして、ではなくて、人間への絶望からだったし。
巧がとどめを刺さなかったくらいで「まだわからない!」って迷って味方になるんなら草下殺すな~~せめて罪を背負え~~!


555、一気見する仕様じゃないんだろうな。
誰が死のうと誰を殺そうとなにを覚悟しようとも、それを引きずることはなくて、単発的ないくつかの出来事が連なる。
だから1話、数話単位で秀逸な箇所があっても、一本のストーリーとしての重厚さはない。それは仮面ライダーという放送形態に起因するのだろうか?

もろもろたぶん、「子ども向けに多くを求めるな」で済まされる不満なんだろうけど子ども向けだからって侮りたくなくて同じ基準で判断してしまう。
オルフェノクと人間の対立構造がそもそもぼやぼやだったのも突っ込みたかったけどがまんした。
そういう意味で1話の妥協のなさがよかったな。



あと序盤のテンポめっちゃよくて、新キャラの投入が的確だった。
物語が進んだら当然行き当たる問題にぶつかった先に新キャラがいて、各々のテーマを体現していた。
海堂の元大学弟子エピソードとかよかったな~。あと啓太郎活躍エピソードも好き。(真理活躍回もほしかった)

キャラが増えすぎて木場海堂長田さんが持て余されたのはな~。
長田さん中盤退場でよかった、てか中盤退場がよかった……そのほうが絶対余韻が残ったな……。

じみに三原くんの成長譚は熱かったね。現実逃避キャラを配置しようという気配りが。このへんもう少し見たかった。
村上はわりと有言実行にオルフェノクの王のために死んでいったので好感を持つ。
わりと冴子の悪人顔好きだったんだよな~。
わりと元祖ラッキークローバー面子弱くて笑う。長田さんのほうがつよい。

あ、そうそう、ノルマの戦闘シーンは見てるうちにだるくなってくるのかなあと思ってたけど、意外と全然毎回飽きなかった。
どういう流れで戦わせるか、に全振りした脚本、なるほどな。