真昼の淡い微熱

感想ブログ

THE OLD GUARD

ふつーに素直に面白かった。
素直に面白いと思える洋画初めてでは?

私が洋画ハマれないのはある種のドライさとスタイリッシュさとクールさなので、ウェットをやろうとしてくれると弱い。

違うんだ、ヒューマンドラマや恋愛ドラマにウェットがあってもノれねえんだ、生きるか死ぬかの話に情緒がほしい、叙情がほしい。



私の好みは完全に婉曲・ハイコンテクスト・叙情なので、一生グローバルとは相容れないのではないかと思っていた。


実際これも設定について説明的すぎるきらいがあるし、グローバルは必然ローコンテクストを希求するのだから私が洋画を好みレベルにまで引き上げるにはその土地のハイコンテクストな文化を理解するためのテクストを学ぶとこから始めなければならない。
全部セリフで言われたらやっぱどうしても冷めるよね。


ただ叙情は求めたら得られるんだな……とわかりました今回。
だって全然期待してなかったもん。ああどうせまた私の好みではないかっこよさを、私がやってほしいBL、百合、インクルージョンの形でやってしまうんだろうな、また私は時代に置いてかれるんだろうなと思って見始めたから。

なんかよくわかんないとこで泣いてたんだけど、「素直に面白いと思える洋画を見れてうれしい……」「叙情をやろうとしてくれている……!」みたいな涙だったのかな。

叙情べつにこれも完全に好みと言えるまでのレベルではないんですがなんかそれでも感情の話をこちらに見せてくれようとしてくれているというところに居場所を与えられる。

最後のアンディとブッカーの抱擁、さみしくて泣いたし(もう会えないとかセリフで言ってほしくはなかったけど)、たださみしいだけで泣けたことに安心して泣いた。
これは、絶対に、異性愛ではない。
私はかような、互いに情味を述べて慈しみあうけども異性愛ではない男女がほしい。


クインを助けに行く展開を期待していたんだよ。
いやわかるよただ待つ姫は今求められてない。でもさあ、アンディが諦めてしまって、でもナイルのおかげでやっぱり諦められなくなって助け出しに行くのが、見たかったなあ。
なにしろ私の感性がしめっぽいので……。



ああでも「情緒を求めてるけど生き死にの話じゃなきゃだめでなのにグロいアクションが無理」なので絶対に叶わないんだよな……。
全員仮面ライダーになってほしい……ライダースーツ着て戦ってほしい安全に……。