真昼の淡い微熱

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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

2001年……。
かなしいかな、20年も経てばまたオトナ。

もうね、ここで表現される「今」がもはや古臭いという致命的な欠陥。
仕方のないことだよ。
いや、この古臭さが逆説的に常に現在と未来を肯定するのかもしれない。
かように過去はいびつであり、そこにしがみつくのは不気味であろうよと。
この映画が20年後現在古くなっているということ自体がこの映画のテーマの体現なのかもしれない。
そういうふうには作られていないだろうが20年にして立ち現れてしまう意味というのもそう思えばまた粋である。



だって「今が大事なんだ……!」って思い出すのが昭和かよっていうひろしのモーレツ会社員人生。
そうだねみさえの半生はドラマにならねえからひろししか取り上げられねんだよな。
恋をしてあくせく働いて叱られてウブな結婚をしてささやかで幸せなマイホーム。足は臭い親父。

家族信仰も、まあファミリー映画という縛りはあれど、白けてはしまう。




しかし執拗な東京タワー綱渡りよかったな。
はらはらさせやがる。
園児のバス運転シーケンスといい本筋としては無駄だがアニメ的にはなんか惹き込まれる逃走劇。
トムジェリ的な気持ちよさがある。