真昼の淡い微熱

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かぐや様は告らせたい21巻/赤坂アカ

ネオリベ時代の能力主義ポストフェミニズム
ってはしゃいでしまった。
赤坂作品を読むとtwitterがわかる。

ここまで旧来的な家父長制を戯画化した四宮家、これに反発する女――は「アンチフェミ」に文句を言われない描写。
もうすごい「アンチフェミに嫌われたくない」欲を感じる。
でも「女に学はいらない」たぶんこれtwitterで見聞きした抑圧台詞なんだろうな。(存在することは知っていたけどこの台詞がリアルにあることをtwitterで見聞きした、というような。こういうのがあるからフェミニストにもアンチフェミにも嫌われたくないのかな……と思う)
名家のことはよくわからんけどさすがに「学はいらない」っていう家は嘘くさくないかな……「四宮として恥ずかしくない教養」くらいは言うんじゃないかな……。
いや今まではそういうふうに描かれてきた気はしますけど。

でそこから「自分が強くならないと抜け出せないから強くなってから戦って勝つ」方向に行くのがアンチフェミに文句言われない能力主義なんだよな~。
ポストフェミニズム、と言うには、ちょっとひとひねり必要。
かぐやが家父長制に抗うのはもろフェミニズムの問題なのだが、ここまでの強圧的な名家は「現代において非現実的な古臭さで、その価値観は一般的にはもう消え失せている」として扱われている。
つまり女性差別はあくまで局地的なファンタジックな現象で、フェミニズムが必要な時代はもう終わったのだというメッセージを前提に共有している。
だからポストフェミニズム的だなあと。

それでもフェミニズムを謳おうとするんならネオリベ市場で勝ってから言え、(構造の強者に都合のいいルールで)勝てないのに物を言うな。
とまあほんとアンチフェミへの予防線に余念がないよな。

いや次巻でオルタナティブな道を示すかもしれんし待とう。
(そこまで作者に期待はできんが)