真昼の淡い微熱

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鉄コン筋クリート(アニメ)

「あーこんな話だったなあ」っていうのと「こんな話だったか?」って感情が混ざった。

あとで見たら原作どおりだったみたい。

原作がねえ、漫画喫茶で読んで、読み終わったあと放心したくらい世界観に入り込んだ思い出作なんだよなあ。
けど、こないだ『ピンポン』のアニメ見たら絵に癖があるだけで垣間見える思想は俗だったから、「もうあの頃のようには入り込めないかもなあ」って思ってた。
そんな感じだったね。
でも昔だって「賢いが汚くて不安定/おつむが弱いが人間の本質的なピュア」みたいな対立好きではなかったと思うんだけど。

たぶんそれを上回って依存関係にはちゃめちゃ弱かったんだよな。
松本大洋の好きな男男関係ってわりとBL好きのそれ。
求める、求める、狂おしく求める。相手がいないと生きていけない。相手を求めるばかりに狂ってしまう男が、ほんとうに、好きだった。

序盤の作画がすげ~。
今見ても見劣りしないくらい精緻。
しかし宝町ってもっと猥雑だと思ってたのでちょっと緻密すぎて世界観の解釈違いだ。
ただ昭和っぽいだけの町になっている。

二宮和也、ふつうに上手かったけど、イタチのクロとの差別化が小声になってるだけなのはちょっと笑った。