真昼の淡い微熱

感想ブログ

kiss you,kiss me/ひのもとうみ

10年恋。忘れられない。執着。ゆえの健気受け。
私も大好きなのだが、だが、だが……。
あれっ10年前の作品かな?と思ったら作年末だった。
そんな、不憫受けにスパダリ攻め、独占欲由来のレイプ、もうお腹いっぱいだよ……。
そろそろ倫理的にも厳しいですよ、愛ゆえ独占欲ゆえのレイプ。

うーん、パターン化してるということで、嫌いではないの。
むしろ馴染んだパターンなので読みやすい。

しかしまあジェンダー分析にうってつけの教材になりそうなくらい受けが不憫で健気で逃げる……。
あれだけ傷つけてきた優吾に対し怒りが一切なくただもう「迷惑になりたくないから」逃げる。
私の読んできたものとしてはまだ「傷つきたくないから」比率のほうが高かったわ。


というか、単純に、話の展開が冗長かつ単調で面白くない。
メリハリがない。
人物の気持ちが、
なにかひとつ出来事が起こる→「~と思うようになっていった」
の繰り返しでしか表されない。描写力が弱い。
一週間別荘行ってひたすら穏やかに過ごすばかりでセックスは起こらない、というシーン自体はぐっとくるのに、そこで取り立てて目を引く感情のやりとりがなく「穏やかに過ごしました」をとりあえず読ませたいだけにしか見えないから、蒼が優吾への信頼を取り戻していく過程にいまいち説得力がない。

そろそろ10年恋を10年恋というだけで読むのやめたほうがいいな。。