真昼の淡い微熱

感想ブログ

蟲師 鈴の雫

ギンコ、九死に一生の目に遭いすぎ。笑
「君が背負う必要はない」って、ギンコも背負う必要どこにもないのよ……。
そこに思い至らず人を助けようという一心だけあるギンコの熱いとこ、好きです。
自分が熱い人間だなんて思ってなさそうなところも。


これ見る直前に横浜美術館で『石田尚志 渦まく光』展見てきたのだが、『絵巻』シリーズ(動画)が蟲に見えて、改めてあの蟲のにゅるっとした動きって芸術だよなあ……と思った。
映画見てる間ずっと蟲の動きに見惚れてた。

そんで映画見たあとファフナーイベント行く予定だったので、ファフナーとテーマが被ってて切なくなった。(適当にスケジュール詰めたのにひとつひとつ繋がってて面白い一日だった)
共存、スワンプマン、個と全、人らしさ、あたりの。
山に捧げられていく肉親への救いの答えは「忘れない」なんですねー……。

『棘のみち』。
私……特別編見てなかったんだっけ……?覚えてないってことは見てないんだろう、なあ。
もとより原作読んでないし。

探幽の、蟲との共存を深く受け入れているところが好き。蟲師のテーマとしても。
山を越えて朝日を拝むシーンがリフレインされて、あのシーンの美しさを再発見する流れがとても気に入ってる。
最初は探幽の世界の広がり。頑張って山を越えたところで何もないと落胆するや、褒美の景色が見える。
次で、クマドめっちゃ感動してるじゃん!っていう。
魂は変わっても記憶は残るんだ、っていう。

それでもあの最後の探幽の悲しそうな顔……。
スワンプマンっていうのもまた違うのかな。逆か。体は一緒で中身が違うのだものな。でもどこから中身なのだろう。

『鈴の雫』。
里心つくのが主としてダメで、でも人としてはあたりまえだとする。二律背反。
そうだよね、運命に抗い、そして受け入れるしかなくて、救いは「人であったこと」と「自分で選択したこと」と「他人に自分を覚えててもらうこと」だよね、って切なさ……。
なるほどこれが「運命との共存」の答えだと……。これで蟲師を総括したというの。
忘れちゃうんだね。泣くわ。

これもシーン解釈の再発見があって感動したような気がするんだけどなんだったっけ……。