真昼の淡い微熱

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クズの本懐 5巻/横槍メンゴ

この作品にいまいち乗りきれない理由がやっとわかった。
私は物語世界においてはこの程度で「クズ」と言われるともやるし仮に「クズ」だとしてもごめんそれの何が悪いのと思ってしまうんだ。
わりと傾向的には開き直りな感はあるけど開き直ってほしいわけじゃなくてそのくらい気にしないでほしい、もしくは大肯定してほしいんだろうな。

だってさ、いくらクズって言ったってたとえば美人局とか麦がモカを孕ませて堕胎させて逃亡とかそういう展開は絶対ないわけじゃない。
そうじゃない、人の心のどろどろを描く作品なわけで、それそのものは面白いなって思ってるけど、それを「クズ」って表記することを私の中の辞書は拒否したがってるんだ。



モカの「かわいい私でいたい、あなたのためでもあるけど何より私のために」が最高!!
それ!!!
完全に自分のためではない、けど、一番は自分のためであって、究極的に見れば「あなた」は「私」の道具なの、っていう自尊心。
いや道具という解釈はたぶん違うけど私はそう思いたいの。
そして欲を出して麦にかわいいと思われる構成すき。

ミイラ取りがミイラになってる花火うける。
自分を切り売りする方法はよくないね。
冷静に分析することもできるけどやめることはできないあるある。