真昼の淡い微熱

感想ブログ

ゴーン・ガール

最初の感想は「思ってたよりずいぶんミソジニックな映画だったな」かな。
女怖えの文脈。
最後の血まみれ帰還や、自分の妊娠を脅迫取引にしているあたりもそうだし、何より「性暴力を受けた被害者の女が実は加害者側だった」て筋書も。
 
ただまあそう言い切るには据わりが悪くて、資本主義社会で「自立」に失敗した女の追い詰められ感、救いのなさ、そういう哀愁を含んでいる。
計画は行き当たりばったりだったが結局彼女は持ち前の「(新自由主義的な臨機応変、自助の)能力」で一発逆転に成功したのだ。
 
リーマンショックの煽りで職を失い、夫に連れられ田舎で孤独となり、DVされ、不倫され。夫もダメだし、復讐で殺させて一発逆転しても死ぬから負けだし、金もなくなるし、頼みの支配者元カレも絶望だし……。
彼女には崖っぷちのそういう人生しか残されていなかった、唯一生き残れる道が支配者になることだった、そういう。
 
金を奪われて枕に顔うずめて叫ぶシーンがいちばんなんか……よかったかな……。