真昼の淡い微熱

感想ブログ

乙嫁語り7,8巻/森薫

時間の都合上1-3巻、7,8巻という微妙な感じで読んだ。
なにしろ百合を求めて……。

姉妹妻の契りを交わしてのち「私より親しいひと作っちゃ嫌よ」と独占欲発露するのは萌えました。
が、むしろ、ポリガミー的関係という点に着目した。

最初アニスが退屈な結婚生活で夫に縛られる窮屈さを感じて女友達を欲したのかと思って、そこからの解放としての百合、という見方をしてた。
けど夫もすごく良い人……。しかも愛妻家。
これで夫が取り残されるのはなあ→シーリーン家庭事情でめとることに→アニスも夫もシーリーンに嫉妬しない→この妻にしてこの夫あり……
の流れが!
この世にモノ規範があるからこそ面白い物語として成立するカウンターになっていて好き。
めちゃくちゃ平和なポリガミーだ……!
てか、百合において男は脅威だけども、男を支配的な嫌な奴として配置してそこから逃走する女二人――っていう百合は見たことないんだよなあ 。
レズビアン映画とかは範囲外だけど「男性作家はそういう構造を描くが女性作家は男も良い人として描く」という話はどっかで見た。


そして噂にたがわぬ画面の豪華さ。
繊細だあ……。
本当にこういう装飾好きで仕方ないんだろうなという作者の愛が伝わってくる。