真昼の淡い微熱

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生きるとか死ぬとか父親とか(ドラマ)

原作エッセイ先に読んじゃったな〜。
1話序盤のカット乱舞山戸節がやっぱ好きだなあ。
 
うーん、なんかね、エッセイが「物語化を拒絶しつつも物語化してしまう」物悲しさを含んでて、作者本人が言うように自分の人生を肯定したいがために安く成り下がった美談になんとも離れがたくなってしまう特徴があったのだけど、映像になると微妙さを排した物語化だな。
それは山戸結希の長所かつ短所である「なんでも物語化してしまう」悪さが表れたってことなんだろうか、でも中の監督変わってるしなあ、どうなんだろう。
叔母の見舞い後の葬式とかね。
父の不倫相手とかいかにも記号的な悪女じゃないですか、それが嫌だよね、山戸結希っぽくて。
でも母の孤独の描き方、月夜の張り付いた笑顔は忘れられん。原作で打ちのめされたからそこまで衝撃を感じられなかったのは残念だけど。
あと2話葬式の長回しは何度見てもぐっとくるね。
『5つ数えれば君の夢』の都の不安揺れ動く心に迫るカットも好きだったけど、それが今や数段洗練されている心理描写。
人一人の中心にカメラを近づけるのではなくて、遺体横たわる棺桶と姿見えぬ故人、葬儀屋、トキコ父の中心に行く。
 
 
「綺麗事言うけど実際自分の身に起こるとなんか嫌」みたいな微妙さは特に惹かれるとこなかったんだよね。
禿げてもいいじゃないといいながら父のシミ取りが嫌とか、専業主夫化してたドラマオリジナルの元彼とか。
 
 
ヒグチアイ『縁』はまじで良かった。
特に二番がよくて好き。