真昼の淡い微熱

感想ブログ

The Society

ラストおい、えええ?
ここまで潔すぎるぶん投げエンドはさすがに初めてみた。
それはそれでまあ勉強になった。
私はわりと過程が面白ければぶん投げエンドでもそこそこ満足するのかと……。

ようやく見たいタイプの『蠅の王』が見れたような。
本家『蠅の王』、『無限のリヴァイアス』、『7SEEDS』ときてこれが一番『蠅の王』で見たかったものな気がする。
特殊な環境で、人間の子どもたちが秩序をつくりそして壊れていく。
壊れていくのきつ~い……。
冤罪で死刑を執行するシーンが本当に本当にきつかった。むり。見れんわあんなの。
エルのパンプキンパイもイーーン誰も死なないで~~……と。

立法も行政も司法も警察も担う市民国家?の中で最初は頑張って透明性を担保しようとしてたけどエル逮捕の頃にはもう気づいたら秘匿事項が多くなってしまい民衆の不満を買い……の流れに至るまで。
アリーが不完全な統治者で、人の話をろくに聞かずに実力行使する支配タイプで、でも本人は精一杯秩序を管理しているだけで、そもそも能力の未熟な子どもが、姉を失い嫌嫌覚悟を決めさせられているだけなのだから、どちらの面もあわれでつらい。
けれども夜空のもとで「ここに来て初めて希望を持った、帰る場所がある」と宣言するシーンはいちばんよくって、やっぱり君がリーダーだと高揚感と説得力があった。

軍部によるクーデターも混乱する民衆を前に選挙で勝った対抗馬が「学んでいこう、ゆっくり」と言うしかない姿に向かって「そうなっていく、逃れられない」と言い放つアリーももっと見ていたかったけどクソ打ち切り無念!

なんか『SEX EDUCATION』とか『Dear White People』見てたから次々ヘテロカップル化していくキャラクターたちに息が詰まったけどグリズとサムでちょっとほっとした……いやカップルもういいけども……。
サムとベッカの友情もよかった……父になる覚悟……。