真昼の淡い微熱

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思い、思われ、ふり、ふられ 全12巻/咲坂伊緒

ストロボ・エッジの主人公が苦手だったしアオハライドの登場人物全員恋バナしかしないのが苦手だったんだけどまあ安定の面白さな気がする。

恋バナしかしないのは慣れました。


期待してもええんかな~という。
これからの少女たちが能動を覚えてゆくことを。

しかし交際のその先を描くのは得意じゃないんだな~そのへんがんばってほしい。
女の子に優しくない男の子を描きたくない、どうしても描けないんだなって。
恋人同士の喧嘩を描こうとしても、女の子の気持ちに理解のない男の子は耐えられないんだなあ。
女の子の醜さずるさは解像度高い、だから共感を生むんだろうに、男の子が聖人すぎるのだ……ずるくない。


由奈が最後しぼんで理央に自分は見合わないと卑屈になりだし、理央は確かに怒るんだけど結局怒りきれなかったときにすげ~それを感じました。



今これを言いたかっただけで基本的には肯定したい。
自分から行動することによって成長する少女。
ご近所さんにあれこれ言われて自分の性欲を無視されて怒り、自分からキスする由奈。

由奈まわりに関してはわりと好ましく、健気でずるさに嘘がなくて自分に胸を張るために自己変革の流れを応援したい感じだったけど、朱里と和臣が特に好きでも嫌いでもないまま終わった。
家庭事情の話、ゆるくてぬるくてだからこそ最大公約数的に共感を生みそうだね、でもその私その公約数持ち合わせてねえな、という。


感情をある程度投入して振り回される恋でなければ本当の恋じゃない、みたいな構造になってしまったのは残念だな。

言うて、彼氏に依存せず互いの人生のために距離が離れることを選択する少女漫画って新しいわけでもないと思うんだけど、まだまだ必要なのだろうかね。