真昼の淡い微熱

感想ブログ

2022年にオリックスバファローズを好きになった感想

2022年にオリックスバファローズを好きになった感想
 
プロ野球初心者の感想。
残念ながらもう翌年1月で初動の熱は一旦収まりがついたので完全な新鮮な感想は残せないのだがそれでも思い出せるだけ。
 
まず始まりはポンタ。
元々パートナー氏が10年来のオリックスファンで、2020年まではポンタがずっとんほーしてて悲しそうだったからスルーしてた。
それが2021年の交流戦で優勝したときあたり?に見てたらポンタが!嬉しそう!
その後も大はしゃぎで……こんなポンタ初めて見て……そのはしゃぎ方がほんとに長年苦渋を味わってきた者の顔だったから。

 
(2021年のぐしゃぐしゃ涙と比べて去年のリーグ優勝の涙はちょっと優勝慣れしてかわいい)
 
今までとのギャップに心奪われる。
ちょっとずつポンタに揺れていき、オリックスにも少しだけ興味が出る。
 
そうしたときに米虫紀子さんの小田裕也インタビューを読んで衝撃を受ける。
 
>葛藤はすごかったですね。毎日、朝起きるたびにありました。やっぱりスタメンで出たいというのは、誰もが思っていること。
 
えっプロの野球選手でも毎朝スタメンじゃないって葛藤するんだ?
途方もない世界。
 
日本シリーズ2021は家で毎晩ストレスが尋常じゃなかった。観客制限してて氏がチケット取れず毎晩毎晩テレビ観戦。
こんなストレスにハマったらヤバいなと悟る。
これまでの数年で吉田正尚T-岡田、頓宮、アダム・ジョーンズ、中嶋聡、宗、田嶋、杉本、山本由伸、山岡の順で名前を覚えた気がする。
日本シリーズでは田嶋の顔が印象的で(覚えやすいから)、画面を見てなくても何度となく耳に飛び込んでくる実況の「紅林ー!」って声により紅林が好きになる(ストレスを軽減させてくれるから)。
 
激闘に負けてヤクルト日本一が決まった瞬間氏がYouTubeで「ポンタのうた」を見てた。
ポンタにハマった私がポンタチャンネル見てたから。
 
 
そうして2022。
開幕勝利10年以上ぶり?初?らしい。
今ふしぎなのは今まで山本由伸で勝てなかったんだ?
氏に訊いても「うるせえ!」しか言わない。
 
前半、ポンタがまた悲しそう……。
でも今までんほー顔好きじゃなかったけどこのポンタも愛しいと思えるようになってくる。
ここでも試合は見てない。
 
 
そして7月23日!
ポンタデーに京セラドーム観戦!
いっぱいポンタ連れてきてる人がちらほらいて、会場ポンタだらけで、ポンタメニューやおりほーシートがいっぱいもらえる。
肩乗りポンタグッズいいな~再販してくれないかな~。
かまりポンタ買った。
30cmポンタぬいはいつ買ったんだったかな?
ポンタがポンタのうたでたぬきダンス踊ってくれてテンション上がる。
 
オリックスの試合観戦自体はこの数年で二度連れてってもらって勝っても負けても楽しかったんだけど、この日衝撃だったのは「実況がないだけでストレスが著しく軽減する!」だった。
 
たぶん2021の日本シリーズストレスが凄くて、そのとき「(このストレスを消滅させるために)オリックス勝ってほしい」って思い始めたからテレビで試合やってると実況ストレスでじわじわやられて寄り付けなかったんだ。勝敗決してからなら実況ありでもいいんだけど。
 
そしてこの日先発山本由伸でしかも目が試合に慣れるまでに打線も4点くらい取ってたから心穏やかに試合を楽しめたのだった。
紅林も攻守にわたり活躍していたし。(顔は覚えられない)
 
この日を境に徐々にDAZN観戦を始める。
 
 
 
★このへんで思ったこと
・ほぼ毎日幅広い層1万人を集めるコンテンツ強すぎる
・どのメディアにも対応できるコンテンツ強すぎる
 テレビ→CM入れやすい
 配信サイト→CMなしで見れる
 現地観戦→回の合間に色んなイベントはさみやすい。トイレや屋台行くタイミングも沢山あって混み合わない。こないだ氏が「試合展開が目まぐるしくないからゆったりビールが飲める、そりゃ売れる」て言ってた
 動画サイト→どこでも切り取りやすい。
 新聞、ニュースサイト→ネタは毎日尽きない
 twitter→切り取り動画もニュースもいくらでも
 Instagram→選手はアイドル
プロ野球金が……かかりすぎ……
・なのにチアガールってバイトみたいな扱いなんだ……社保なし……?
・全国飛び回りながら週6試合できる体力こわ……
・身体能力高すぎて体幹安定して体も柔らかくて引退後はダンサーになれる
・守備すごすぎー 何回でも見たい
・バッティングフォーム、投球フォー厶が美しすぎ、金取れます
 のちに吉田正尚がインタビューで「結果を求めると一喜一憂してしまうから納得できる自分のスイングができるかどうかを追求してる」て言ってて首肯
 
 
 
★私の行動
・7月~8月くらいから勝った試合のみ後追いDAZN視聴を始める
・リアタイするとストレスがすごいので終わる頃twitterにポンタを見に行って勝ってたら見る、を繰り返す
・勝敗だけ書いてあって最終スコアの書いてないサイトないかな……ポンタの画像だけ確認するスキルを獲得するしかないのか
・基本ながら見ができず回間スキップだけで3時間全部見るので22:00~1:00視聴、ってペースだと負け試合見れる余裕がなくなる
・リアタイしてる氏とも一緒に見れず野球の話も特にしてない
・全てが終わった現在、前半のポイント試合と9月以降の全試合を見た
・2021年ポイント試合も10試合くらい見たんだけどやっぱりそのときの状況と空気を体感しながらじゃないと面白さは半減するなあ、と思った。吉田正尚骨折離脱の不安の中大下サヨナラとか多分感動ものなんだろうけど……朝の人のサヨナラバスターはそういえば見てないけど面白いかも
 
徐々に気づいたのだが、私このオリックスのサクセスストーリーを10年くらい前のももクロと重ねているなと思った。
実態は全然違うけど鑑賞側の抽象レベルの消費として。
ももクロと野球が近い理由がわかった。
何時だって挑戦者、いつかホンモノになることを、今日しかない気持ちで自分を試そう、光だけが育ててさここにいるわけじゃないよ……
なんだろうね、心に火をつける説得力のあるパフォーマンスだったんだろうねやっぱももクロ
登場曲にしたことある人いっぱいいるなー。
まあれにちゃんも「野球選手に比べて自分は甘ちゃんだった」て謙遜はするんですが。
 
 
野球って一打席一打席に博打要素があって、監督も観戦側もやってることギャンブル。
で、私は賭け事苦手だから「どうせだめだろう」と思って見るんだけど、打つんだよね。
なんかそこが面白かった。
 
勝敗決してから見たらその安心の中で穏やかに賭けができるんだと思う。
まあリアルタイムや現地観戦のどっちに転ぶかわからない賭博性の脳内麻薬やばそうだから国内随一人気スポーツなのは充分わかる。
 
印象的なのが渡部遼人プロ初安打タイムリーと、8/30西村凌最終回シーズン初安打逆転タイムリーなのかな。
「どうせだめだろう」が覆される。
後半の若月、宗、福田、中川、吉田正尚のサヨナラも全部ドラマが詰まってて感動的だもんね。
 
そんな感動的な展開がいくつも生まれるのは恐らく優勝チームの特権で、今年しか見れないものを私は最初にいっぱい見てしまったのだろう。
 
またこれもあとで気づいたことですが2020年以前受動喫煙オリックス見てたとき各選手が全然打ててなくて、三塁にランナーいようがあとちょっと打てば逆転だろうがノーアウト満塁だろうが打てなくてイニングが終わる印象が強くて、「そんな都合よく打てることなんて早々ないだろう」って刷り込まれてたんだよね。
 
だから自分で見出したら「えっこんなにポンポン打ってほしいとこで打てるものなの!?」「ここで打てないのがオリックスなはずなのに打っててすごい!」って上乗せ感動があった。
2022年序盤も氏が「ここで宗が打たないと~」「杉本! 打て!」とか言ってて、いやそんな上手くいかないでしょ~と思ってたら案の定打てなくて負けてたからね。
いやあ、すごい。
 
 
他思い出し感想。
 
★7月
・試合の前半中盤後半で全然展開が違って、ポンタが勝ったって言ってたから見たのに前半相手が押せ押せで流れ悪くて「えっここからどうやって逆転するの?」って驚きで引き込まれる。
そしてちゃんと逆転するので凄かった。たぶんポンタデーとオールスター直後の7月の試合だったと思う。
なるほどなー試合の流れが積み重なるところ、イニングごとにリセットされるところどちらの側面もあるからどちらに転ぶこともありうるのだな。
 
★8月
・なんかリーグ混戦状態で4-5位をいったりきたりしてたとき、せっかく去年優勝したんだし今年はAクラスが見れればいいな~って思ってたら8月くらいに山岡のインタビュー記事見つけて「チームの雰囲気は凄く良い、今年も優勝目指す」って言ってて「あっ優勝するつもりなんだ!」って応援したくなった。
プロスポーツ選手の心根を自分基準で見ちゃだめで、そりゃ当然優勝するつもりだろうよって話なんだけどやっぱオリックスって端から優勝諦めてるイメージが強くて……今までも諦めてたわけじゃないんだろうけど。
(2020年、確か凄い緊迫してる状況でしかも珍しい場面だった気がするんだけどなんか盗塁仕掛けてた試合があって、失敗してはいたけど失礼ながら「オリックスもこんな勝ちへの執念あるんだ!」って驚いた記憶がある。氏に言ったら「プロなんだから勝負するでしょ」と得意気だった)
 
 
・8月首位だった西武といっぱい対戦があって、だから絶対勝たなきゃ!って感じだったけど3連敗含む9戦6敗で。
3連戦の初戦取ったほうが有利なんだな~と理解してきたタイミングで中嶋監督がコロナ感染離脱で8/26初戦落としたからもう無理かもと思ったんだけど、翌日快勝して「選手は一切諦めてないんだ」と感動したのだった。(その翌日負けたけど)
そうそう今ハイライト見たら宮城プロ初完封で頓宮も打ち出してて西野のヒット量産も頓宮と朝の人の守備も全部覚えてるな。宗のホームランで諦めなさが伝わってきて泣けた。
今のオリックスって吉田正尚だけじゃないんだねっていうのは前年聞いてたけど。吉田正尚も浮かばれるね。(でも2021年は全く野球に無知だったからオリックス強くなったって聞いて勝手に「吉田正尚、相対的に自分が目立たなくなってモチベ下がってないかな、大丈夫かな」って明後日な心配をしていた)
 
★9月
・賭け事苦手で基本期待ハードルを激低設定してる私が唯一心を賭けたのが9/4で、ここでロッテに3連勝したらソフトバンク西武と3チームゲーム差0になる、なってほしいと期待。そしたらきっちり実現した。
このときストレスがフッと軽くなって、相変わらずリアタイはできないけどもうどうなってもいいやと思えた。
 
・ここの一戦目の9/2対佐々木朗希戦もすごい好き。
山本由伸で貫禄勝ちみたいなのも良いけど山﨑福也と山﨑颯一郎と阿部で完封、打線はどうにかこうにか1点……っていう色んな勝ち方があるんだなって思える試合。
結局こういう投手勝負が最後まで2022年のオリックスを表してたけど、その勝負幅とピッチャーに場数踏ませる勘所が長けてるから中嶋監督は凄いんだともわかる。
 
・9/4に3球団並んでさあこれからだとなって、でもそのあと最下位日ハムに2連敗して萎み、翌日9/8西武とのシーズン最終戦があって。
このとき椋木緊急降板で宇田川が3回無失点で熱い劇的勝利。
「ここで負けたら後が厳しいってところで普通に負けるけど特に引きずらずどうにか勝つ」っていうのが2022オリックスの印象総括。
 
・その後も厳しい状況が続いてて、9/10山本由伸でソフトバンクを下して初の単独首位になるんだけど翌負け・負け・引き分けと暗雲。オリックスが単独首位になったのはシーズン通してこの一日だけらしい。(最終日もソフトバンクと全く同率首位で、直接対戦結果の差での優勝だから)
引き分けか~ソフトバンクと分け数一緒になっちゃってる~って思った記憶はあるけどまさかこれが同率優勝を決する下地になるとは。
こないだその試合見たら延長戦の緊張感凄くてピッチャー陣11回平野で12回小木田吉田凌で踏ん張っててこれは落ち込む引き分けじゃなかったんだなあと。
(やっぱり7回あたりノーアウト満塁で連続三振、点入らず面白かった、宮森がオリックスのクリーンアップあっさり倒しててめちゃくちゃ凄かった、その前日の慌て杉本守備で岡島豪郎にランニングホームランやられたのも面白かった)
 
・その翌日9/15に若月の劇的延長サヨナラタイムリーがあって9/17-19ソフトバンク3連勝、終盤はずっと「ここで負けるようならどちらにせよ優勝できないもんな」って思ってた気がする。
優勝するには3連勝しかない状況だったけど、西武との8月があったからその難しさも初心者なりに理解して。
9/17山本由伸余裕の完封勝利、9/18千賀さんとの投げ合い宮城と中継ぎ奮闘勝利、そして9/19宗のサヨナラ。2021年の宗の涙動画を氏からいっぱい見せられてたから文脈がこう、わかった。
 
2021↓
2022↓
【首位決戦3連勝】宗佑磨『歓喜と涙の劇的サヨナラ打!!』-YouTube
 
宗がヒーローインタビューで「野球は助け合いのスポーツ」って言ってたのが嬉しくて、チームスポーツはそうなんだろうけど、野球は一人ひとりの動きが曼荼羅みたいに意味あるフォーメーションになってて「カバー」しあっててひとつの有機体になるところが美しい。ポンタデーの日も「打たせる」ことがまだあまりわかってなかったから山本由伸が(ゴロだとしても)打たれたとき内野手がそれぞれカバーに入って助け合ってるところが気に入ったのだ。
この宗のヒーローインタビューも、いつもマウンドに駆け寄って仲間を助ける宗だからなおさら感慨深く、試合後「正尚(9回裏に同点打打って延長にしてくれて)ありがと~」って泣きそうに寄ってっててそれは肩肘張った見栄とプライドの守り合いではなくケア的な温かいコミュニケーションに見えて、紛れもなくホモソーシャルな野球の磁場から(揺れながらも)わずかに脱した空間がここに形成されているのだという嬉しさ。(ただしそれができるのはプロの世界で優勝争いができてるからかもしれない)
いつだかの宮城も紅林が守備で助けてくれたときマウンドで振り返って「ありがと~」って言っててほっこり。あざっす、とかじゃなくてありがと~って言えるのがいい。
 
オリックスって結構相手の抑え投手から打ってるなって印象あるけどこれは終盤他チームの中継ぎが疲れてきてたからなんだろうな。
 
・9月上旬に心が凪いだし「大丈夫、負けても勝ってくれる、勝とうとしてくれる」って安心してたから終盤のデッドヒートも穏やかだった。
 
★10月
ソフトバンク優勝決めるならはよ決めてくれ~って思ってた10/1のソフトバンクvs.西武戦、氏がずーっと暗い面持ちだったけど本当にたまたまテレビつけた瞬間に山川が逆転サヨナラホームラン打って西武が勝ち、首の皮一枚繋がって狂喜乱舞したのがウケた。
 
・さすがに最終戦はそわそわしたけどここで勝ったとしても優勝するわけじゃないしそわそわするくらいならと思ってリアタイ。
10.2の因縁(万年Bクラスのオリックスが唯一2位になって優勝を逃した2014年の日)のことは把握したので、その再来を見るのは嫌だなあと思ってたけど、最終日まで優勝争いがもつれて、「オリックス楽天に勝つ&ソフトバンクがロッテに負ける」だけが唯一の勝ち筋で、逆にそれ以外全部ソフトバンク優勝、までいくともう別にどうでもよくなる。
田嶋何があってもポーカーフェイスなのに大事な試合だと投球に感情出るのかわいい、山足のバント決めれず最終的にここぞのフォアボールでアウトカウント埋めずにマー君を撹乱して出塁最高、先制点取られたあとすぐ逆転して伏見の大活躍、宇田川山﨑颯一郎阿部ワゲスパックの安心感。(勝ち試合しか見てきてないので中継ぎほぼこの人たちしか見てきてない)
マー君仕事中の顔ポーカーフェイスかと思ったらボールで人殺すみたいな目してて、最初に対マー君戦見たときものすっごい戸惑った。この10年ももクロ相手にニコニコしてるドルヲタおじさんとしか思ってなかったから……。
氏は逆にマー君チャンネル見て「マー君のキモオタスマイル見たくなかった……」って言ってた。
 
晦日のももいろ歌合戦で「今年は思うようにいかなかったから来年気合い入れ直す」って宣言してて、ああその言葉の重みが少しだけわかってしまうと思った。オリックスあんまマー君苦手じゃないし凄い時代のマー君見てないなあ。
 
・ほんとに優勝しちゃったすご~い というかなんか負ける気しなかったもんなあ。抑え誰が行くんだろ?って思ったら阿部でにっこり。
あとからほんとに稀に見る奇跡的な優勝だったと知る。一試合でも落としていたらソフトバンク優勝だったから今パ・リーグTVで一試合ずつ振り返ってても「ここで誰々が打たなかったら優勝してないもんなあ」と思えてお得。
 
・8月9月の混戦でどこも優勝あるな?な時期、でも今年はメディアが村上さん一色だしどうせパ・リーグは踏み台にされるんだろうな、噛ませ犬になるとこは見たくないな、と思ってた。
でもいざ優勝してCS控え始めたらみんな口々にヤクルトリベンジ言い出してつくづく小心者の一般人とは性根が違うぜ……と思った。
 
 
福田と吉田正尚が米虫さんのインタビューで「清々しかった」って言ってたから完全試合食らったのに意外ーと思ったけど見たらわかった、これは悔しいより清々しい、めっちゃ面白かった。
まあ期待しながら見たらオリックスのコロナ離脱が激しくてほぼ二軍メンバーだったのが残念なような納得なような感じだったけど、吉田正尚の最終打席三振からの球場の盛り上がりが異様だった。"あの吉田"を三振、これはパーフェクトあるぞのうねり。
こないだ山本由伸のノーヒットノーラン見たけど、盛り上がりはするけど「山本由伸ならいずれやるだろうことをやったのが今日だった」くらいの雰囲気だったから。
宮城は味方が点取れないときと味方がエラーしたときに投球崩れるけどそのどっちもが出てて悔しそうだったな。
佐々木朗希がすごすぎて連続三振ばっかだからその記録をフライで止めた紅林がえらい!って思った。ゴロがよくやった!の気持ちになれる不思議な試合。
スタメンは二軍の新人さんばっかりだったけど最後代打で中川・山足・杉本が出てきて次々ちぎられてくのがアツい。
なるほどこれがあるからロッテ三連勝初戦の9/2が強い意味を持つのね。佐々木朗希から1点だけ取って1-0で守り抜く。
 
ソフトバンクオリックス、山本由伸を抜いたら互角、って感じ。今年はまた違うんだろうと思うとさみしいな。
皆人生賭けてるのに山本由伸だけ居間でゲームしてピンチを楽しんでるみたいな1勝+優勝アドバンテージの1勝で結果的に余裕だったけど、2戦めリアタイしてしまってやっぱこの重圧無理だと思った。
杉本のきれいなホームランを初めて見たきれい~。阿部対最終打席柳田のファウル、同じコース要求を避けて牽制、フォアボール、そして次のデスパイネで切り抜けて安堵。3戦めもやはり痺れる互角。
4戦めはストレスで家出した。無事日本シリーズ決定を知り帰ると初めてちゃんと見る山岡!キレキレ!中川ポンタデーでもいっぱい打ってたけど終盤全然打てなくなってて、日本シリーズ終わったあとちらっと体の痛みを抑えながら戦ってたと言ってて納得というか……。
やっぱ週6試合やばない?怖いよ。
ソフトバンク気合の守備が炸裂してて最高だった。
【奇跡の捕球】牧原大成『鷹の希望つなぐ…超ファインプレーで流れを変えた!!!』-YouTube
 
私はあの2021のストレスを迎えられるか?と思ったら無理だった。
正直ファン初年度は他チームの日本シリーズが見たかったな~。
2戦め、試合終わってから見てたら途中まで完全にいつもの勝ち試合って感じだったので悲しくなってきて検索したら阿部が打たれたと知り、しかもオリックスをよく知りもしない人らがやいのやいの言ってて(阿部に抑えを任せた監督の采配に疑問だの)、翌朝ニュースで「誹謗中傷」とか見出し書かれてて、あっこれが日本シリーズなんだ!阿部は凄いのに!ってたまらなさが沸く。
日本一決するまで一切見れなくなって、ネットニュースのネタバレ食らいながらも一週間を耐え忍ぶ。
はよ終わってくれ~パ・リーグの選手は徐々に親近感持ちつつあるけどヤクルト見ても知らない人としか思えないから「どっちもがんばれ~」な気持ちになれないのよ。
付け焼き刃で録画前年の1戦目見たけど親近感変わらず。(面白かったけど)
 
3戦まで終わって結果だけ知って、私は「山本由伸緊急降板で負け、阿部が打たれて分け、宮城で負け、それでも次の日普通に勝って諦めない」のが今のオリックスだと知っていたから信じてたけど、それを全国野球ファンの皆様にお伝えできるかどうかが気がかりだった。
全部終わったあと福田が「3戦めのあとも別に皆いつもどおりだった」って言ってて嬉しくなった。そうでしょうそうでしょう、じゃなきゃ優勝できてないもの。
(こないだ9/22のロッテ戦見たらリポーターの人が宗と伏見のインタビューリポートしてて「監督が切り替えさせるのがうまい」「みんな前向きですぐ切り替えられる」って報告してた。ロッテ山口さんの2本めのホームランで解説の人が「ソフトバンク戦でも打ってくれってことですね」って言ってて、最終戦ソフトバンクへの逆転ホームランの予言してた。てかこの試合の実況解説の人仲良さそうで心地いいな。いっぱい聴きたいな)
 
結局最終日は気を紛らわしてないと耐えられず、メイドカフェ行ってきゃいきゃい相手してもらった。
ネタバレしないでと頼んだけどネットでスコア見てたメイドさんが山﨑颯一郎が打たれたあたりで「えっ!?気を強く持って!」って言ってた。
 
日本一決まってから全試合見たから贅沢だった~。
初年度にこんなリーグ優勝&日本一の贅沢したらだめな気がする。
気を強く持って。
 
ヤクルトのこと「皆ホームラン打てる」くらいにしか認識してないけどほんとに投のオリックス・打のヤクルトって感じで面白かった。
代打みんな打ちそうだもん。DHのないセ・リーグだからこそ代打要員が充実するのかな?
神宮で西野が代打要員で塩漬けになって結果的には悲しかったね。でも西野最後のほう代打がんばってたからな~。
こないだ若月のサヨナラタイムリー見てたんだけどその試合も8回裏に西野が同点均衡崩す代打タイムリー打ってるんだよねえすごいねえ。
 
投のオリックスは、色んな投手に抑えを任せてたのが結果的に功を奏した感じ。
平野がコロナ離脱したとき結構負けてて氏が「平野がいないからこうなるのはしゃーない」って言ってて、へえそういうもんなんだ~と思ってたけど離脱の穴をみんなでどうにかこうにか埋めあって勝ってきたのが熱いねえ。ソフトバンクもそんなイメージがある。
助け合いのスポーツか~。
そう、ヤクルトはピッチャーがピンチを背負ってもあんまりマウンドに内野手集まってこないんだなーと思ってたけど逆にオリックスが来すぎ?
4戦めの宇田川に「がんばれー」って言って去ってく宗好きだけど残念ながらテレビには映ってなかった。
(米虫さんの猛牛のささやきはたいてい読んだ、フリーライターらしいので他の媒体は集めにくいなあ)
 
ポンタデーの日も5-0になったから本田が9回抑えてて、だから本田が頑張ってると嬉しくて、2戦めもきっちり延長サヨナラさせなかったのだった。
阿部もあのあと村上さん含むクリーンアップをちゃんと抑えてたしな~。
 
結局平野が打たれ、阿部が打たれ、ワゲスパックが大活躍して抑えた日本シリーズ、それだけフレキシブルに対応できるくらいの起用をしてたんだなって。
それは苦し紛れだったかもしれないけどそんなのは野手も同じで、色んな場面で使えるくらい対応力を鍛えさせてきたんだろう。
 
でも皆シーズン以上に活躍して獲れた日本一だった。
杉本も、山﨑福也も、山岡も、太田も、紅林も、比嘉さんも、ワゲスパックも、伏見も、本田も。
 
宮城が緩急でバット振らせるのいっぱい見れて楽しかった。パ・リーグのバッターは慣れててそこまで振らないから。いやでもキレキレ宮城デーのときは振ってるかな?
ヤクルトも少しだけ親近感が出てきた。
 
そういやオスナが7戦めタイムリー打ってたのにテレビには村上さんのテロップしかなくってそういうとこテレビメディア好きじゃないよね。村上さんは村上さんで散々持ち上げられてかわいそうだが。
朝の人の7戦めホームスチール成功してほしかったね~!
 
氏が「7戦めをHUBで観てて日本一決めて泣いてたら後ろの席のギャルに「泣いちゃうよね~」って言われた」話をずっとしてくる。
シーズンの最終戦でもクライマックスシリーズの最終戦でも泣いてた。長年のファンは重みがあるね。
 
 
とりあえず今日までで9月以降の試合全部見たけどこれは全試合が意味を持つ(ソフトバンクと勝ち負け分け数全て同じで優勝)特殊な年だからできることで、来シーズンはもっと気軽に見たい……。
でもやっぱストレスはストレスだし、相手球団の選手がいい活躍したとき「すごい!」って思えないのが嫌だから勝ち試合しか見れないのかも。すべてが終わった今は全部面白く見れるけど片方を応援してしまうと半分しか楽しめないから……。
もっと広くパ・リーグファンの境地に至れればいいけど。
 
勝ち試合しか見れないとすなわち負け試合で出てくるピッチャーが見れないのも悲しみ。
黒木見る機会なかったけど凄いじゃーんとか、山岡が(前半は凄かったって聞いたけど)後半物凄くいい球投げたかと思えば急に打たれだすとかそれでもそのあとキレキレになるとか村西を見て制球の難しさを知るとか、今ようやく窺いはじめる。
ていうか打たれるピッチャーも全然駄目な投球してる人いなくて基本的にはすごくよく頑張ってない?初心者目ですが??
あと頓宮が最後の最後たくさん惜しい当たりありつつヒット打ててなかったけど負け試合では結構健闘してたんだなーとか。
 
面白かった~。
感想終わり。
 
 
★今のプロ野球について
ちょいちょい色んな本読んだら少しずつだけど野球は変わってきてるんだなと思えた。
オリックスはなぜ優勝できたのか』はとっかかりとしてよかった。
あとまだパワハラ野球が記録としての結果を残すことはあるって『多賀少年野球クラブに学びてぇ!』に書いてあった。しかし同時にそれでは先細りになる(現に野球人口減少の危機意識によって変化が訪れている)、とも。そりゃ親がパワハラ監督のもとに子どもを送りたくないからね。
(スポーツと暴力、暴力が被害者の中で肯定されていくプロセス)
この本は厳しくしなくても強くなれる、楽しいと強いは両立できると証明した少年野球監督の取材本なんだけど。
 
吉井理人の『最高のコーチは教えない』では「自分の経験じゃなくて選手に考えさせて合わせたコーチングを」とか「選手の段階を四段階に分け見極めて教える」とか色々良いこと言っていてなるほどなと。そうなんか野球選手はこの本で吉井さんが自己紹介してる感じの粗野さ、気性荒さなイメージだったけど、現代はわりと穏やか。
なので「最近の選手はよく泣く、泣くのはいただけない、悔しさはトレーニングで発散すべき」の記述だけは寄る年波を感じさせた。
感情を見せるな、男は泣くな。涙もまた爆発しそうな感情をなだめる一環だしストレス発散できるのに何言ってんだっていう。
嬉し泣きだけじゃなくて悔し泣きをプロ野球選手が見せるようになってるらしいことは祝いたいよね。日本シリーズのヤクルト髙津監督も印象的。
ソフトバンクの泉が最終戦ロッテ山口さんにホームラン打たれて優勝を逃した後に甲斐にお手てつないでごはん連れてってもらった話とか、それをメディアに伝えられる時代であることに、思ってたより野球ってホモソーシャル色を薄めてきてるんだなと思った。
ポンタデーのとき京セラドームにオリックスのトロピカルポスター?貼ってあって昭和は去りにけりだと思ったけどそれよりずっと風通しよかった、期待ハードル低いのもあるが。
中嶋監督と感情/理性の話はまた別でまとめるが、感情が恥となる文化からの脱却、発展途上なのだと思う。中嶋監督も現代野球の代表となるのだろう。
新入団選手の入寮イベントでみんな自慢のぬいぐるみを持ち込む定番が発生していたり、パ・リーグTVで選手のいちゃいちゃまとめがあったり、バラエティで「試合がテレビに映るから肌を気にしてる」と大量のスキンケア紹介する選手がいたり、雑誌で「休日は1人で子守りを任されることも」と子育てアピールが記事になってたり、「ラオウは誰にでも好きって言ってて嫉妬するからやめてほしい」ってファン向け動画で(仲間内のネタではなく一人コメントで)言ってたり。。これ誰が言ってたんだっけ?後藤駿太
 
同時に、数年前のファン動画で若月が「俺のファンはババアが多い、けど最近JKが増えてる」って発言してたり(これは周りが「カメラ(か女性スタッフ)の前で大丈夫か」って雰囲気でちょっとそわそわしてて興味深かった、プロ野球選手ってタレントなんだなってつくづく思うけど外向きの自覚が思ったよりある)、裏方さんを「お母さん」って盛りたててたり、根強すぎる「プロ野球選手の妻THE内助の功」扱いが随所に感じられたりもある。
れにちゃん、宇佐見さんと一緒に住んでないのに無理くり「献身的サポート♡」がweb記事になってて苦笑。まあれにちゃんも栄養士免許取るとかって言ってたり新庄監督に「主人がお世話になってます」って(思いの外ガチめのトーンで)言ってたり、内助の功好きだろうけど。
 
プロ野球の構造として高度経済成長期の家庭モデルにかっちりハマったままで、この不景気においても崩れる気配なく「ほぼ休みなし激務、努力すれば大金、一人で家族養える」仕組みですからね。
資本主義がその周縁のケアによって稼働する構造ここにようよう煮しめている野球界。
 
「労働者は身体的にも精神的にもタフでなければならない。そのため、くたくたになった労働者をさまざまなかたちで支え、彼らの消耗を緩和し、労働力を回復させ、その能力を使える状態に保つ、「資源」が必要である。 資本が課す制約のなかで賃労働がやり遂げられなければならないのであれば、この不完全な賃労働を補完するための「資源」は費用がかかってはならない。」
(『ミドルクラスを問いなおす』渋谷望
 
痛む身体を抑え抑え戦い抜いてぼろぼろになりながら(吉井さんの著書によると昔はもっともっと使い捨てされながら)消費者にエンタメを提供し莫大な利益を上げるために週6で試合をやり、明日をも知れぬ短い現役生活を捧げて労働力を提供する。と見ると資本主義極まれり。
となると余計に中嶋監督の労働管理(中継ぎの疲弊予防運用)が今後のトレンドになっていってほしいし、中嶋監督ならもっとやれるんじゃないかと期待もある。
(けど監督業もまた激務なのでいつまでもやってほしいわけじゃない……)