真昼の淡い微熱

感想ブログ

違国日記10巻/ヤマシタトモコ

初めてこの漫画が「わたし」を見てくれてびっくりして泣いた。 えみりとしょうこ、私とは関係のない「シスターフッド百合」だった。 私はこんなにきれいな恋愛をできない。 「…ね もっといっぱい約束して」 しかしこういうの弱いんですねっていうかようやく…

2022年にオリックスバファローズを好きになった感想

2022年にオリックスバファローズを好きになった感想 プロ野球初心者の感想。 残念ながらもう翌年1月で初動の熱は一旦収まりがついたので完全な新鮮な感想は残せないのだがそれでも思い出せるだけ。 まず始まりはポンタ。 元々パートナー氏が10年来のオリック…

機動戦士ガンダム水星の魔女~12話

これリアタイするの失敗だったかなあ~。元々見ようと思ってたけど全然アンテナ張ってなくて偶然百合だったからそのまま見てただけなのにこんななんか……リアタイするには向いてない作品だったなんて。11話まで百合としては好みだしここまで同性婚推してきた…

強制除霊師・斎~13巻

おもしろ~~~~。こういうのすごい好きなんだけど迂闊に人に話すと嘲笑の目で見られるから嫌なんだよね。いわんや当事者をや。いやだって義経と弁慶の真実~とかオカルティックでおもしれーけど誰にも言えないじゃーん鼻で笑われる。義経に裏切られた弁慶…

世界で一番おっぱいが好き!7巻/昆布わかめ

やっっ……たー!!!!!!ああああああああああああうれ……しい…………やってくれると思わなかった。恋愛を。性愛を。こんなギャグコメディで。こんなギャグコメディにこそ私は狂おしく恋愛を望んでしまう。百合の上澄みを掠め取るな、女の子同士のいちゃいちゃ…

男がつらい! 資本主義社会の「弱者男性」論/杉田俊介

杉田さん……。時期的に間に合ったか、間に合ってないかどうかと思って読んでたけど、最終ゲラ確認のときだったか。あの襲撃事件は。ジョーカーの話は山上に言及された記事を収録したものなのか?『非モテの品格』も『マジョリティ男性にとってまっとうさとは…

たとえどれほど遠い海でも/ま子

友達の二次創作BL!以下twitterに投下したツイートまとめ。これなんだけど現代思想9月号の「恋愛の現在」と照らし合わせると面白くて、ものすごく現代的な話だよねと思う「ロマンティックラブ・イデオロギーというゾンビ」では、「恋愛のゴールは結婚である…

君としらない夏になる1巻/きぃやん

社会から脱出系百合の系譜。なんていうか、終末世界系百合も地味に出続けるし、百合=脱出モチーフも陳腐だし、百合=青、海、水系統も飽き飽きなんだけど、でもまあ読んでしまう枠かなーと。(百合オタなので基本的に「でもまあ読んでしまう枠」ばかり増え…

推しが隣で授業に集中できない!/筒井テツ/菅原こゆび 全7巻

完結。『ヒトナツ・コンプレックス』よかったな~。最初は「願望実現系漫画~!」て自分の願望うずうずさせられる感じだったけどなんかちひろちゃんと咲・まーやの間にずーっと距離があるまま完結した感じでなんか悲しい感じ。そもそも私の好みとして過度に…

燃え上がる記者たち

感想という感想は出てこない。すごい、としか言えない。恐ろしい。彼女たちに何も起こってほしくない。こんなにまで勇ましい政府批判・社会批判のメディアという姿がまず新鮮であった。インドの脆い民主主義を支える。が、10年で40人ものジャーナリストが殺…

チキタ★GUGU 全8巻/TONO

しみじみと良い話だった。しみじみ、がよく似合う。3巻くらいまで話が見えず、キャラも見分けつかないわりに関係性が複雑なので読むのに1年以上かかった。「ラー・ラム・デラルが人間の感情を少しずつ学んでいくんだろうな」以上の展望が見えず……。しかし3巻…

ラブセメタリー/木原音瀬

墓場か。書きぶりは心配してなかった、なにしろ木原さんなので。ただ一点敬遠してた理由は「小児性加害」の原因が「小児性愛」と誤認させる作りになっていそうだったから。実際の小児性加害は嗜好の問題として扱うより犯罪機会論として扱うことを遥かに重視…

SEX EDUCATION season3

アダム……………… ちょっとお。 ちょっとアダムがあまりにも切なすぎるんですが……。 そもそも同性カップルが別れるところもう見たくねえ~。異性カップルのそれとはちゃうんだぞっていうか主役異性カップルがくっついてそれは私がつらい。。 感情を教えてもらっ…

Mommy

『新しい声を聞くぼくたち』を読んだので見た。この著書で「折りたたまれたマイノリティ性」とか「障害の医療モデルを脱構築した返す刀で自らのアイデンティティとしての障害を肯定する」とかいう話が出てくる。依存を否定し自立を促す新自由主義とポストフ…

流浪の月/凪良ゆう

おいおいおいおい凪良さんまじかよ…… え? これどっかで「彼の話」に転換してどんでん返しあるんだよね? 美化しすぎた更紗の陶酔に冷や水ぶっかかるんだよね? 凪良さんがまさか小児誘拐神話を肯定しかねない話書くはずないよね????? と混乱しながら読…

恋せぬふたり

総評、意義深いええドラマやった。なにより「アセクは主役にならない」って言ってたアセクの友達がこの作品に出あえてよかった。楽しそうでよかった。ここまでアロマンティックアセクシュアルが「主題」になる作品がありえたでしょうか。手法として、お約束…

7SEEDS 全35巻+外伝/田村由美

面白すぎて参る。 これぞ少女漫画!! で最高。 私が少女漫画に求めているものが詰まっていたし、ついでに『蠅の王』とか『無限のリヴァイアス』に求めていた感情を全部持ってかれましたね。 リヴァイアス感想見たら「しんどくなるくらいのめり込める、狂気…

UPLOAD

アマプラドラマ。 序盤わくわくしたなーー! サーバー天国。 UPLOADを拒否する老人とかまではわかるけど広告三昧とか2GB?の地下層とかは現代だから出てきた表現ではないか。 だからサーバー容量問題とか出てくるかと思ったのにそれはなかった。無制限かな。…

ウマ娘 プリティーダービー

一期・二期。かわいかった。最後ちょっと泣いちゃった。トウカイテイオーちゃんが最後走れなくなるの知らなかったらもっと感動してた気もする。一期で活躍してたスペちゃんが二期になって影を潜めてしまうことへのモヤモヤがあったのだけど、ウマ娘時空がわ…

今日もひとつ屋根の下/犬井あゆ

犬井さん絵が見やすくなってる!前は絵で断念してたけどこれからは読んでいこう。これぞ百合だからなせるわざといった作品である。このリアルとフィクションの融解こそが百合の本懐と言ってもいい。こういう女同士カップルの「語り」はさ、あるところにはあ…

トーベ

女と出会ってしまった女の話だった。 もっとポリアモラスな感じかと思ったら女と出会ってしまった女の話だった。 ラストはぼろぼろと泣いた。 なんの涙がわからなく、理由をつけようとしてみたけどどれもしっくりこない。ただひとりで踊るトーベのその真芯に…

生きるとか死ぬとか父親とか(ドラマ)

原作エッセイ先に読んじゃったな〜。 1話序盤のカット乱舞山戸節がやっぱ好きだなあ。 うーん、なんかね、エッセイが「物語化を拒絶しつつも物語化してしまう」物悲しさを含んでて、作者本人が言うように自分の人生を肯定したいがために安く成り下がった美談…

戦争と性暴力の比較史へ向けて

要約ではなく印象に残ったとこのメモ。エイジェンシー:構造を免責しない主体性。すべては構造化され普遍的なパターンに当てはめられる構造主義のあとに差異、主体に注目したポスト構造主義の用語。本人の主体はある。だが主体は構造のもとにしか現れない。…

違国日記〜8巻/ヤマシタトモコ

なんと感想を書いていなかった。びっくりだ。初めどういう気持ちで読んでいたのかもう思い出せない。接待漫画だ、と思っていた。読み直して改めて、私は別に私であることを肯定される必要はないと気づいた。どんなに圧倒的描写力で鮮烈な刃を振りかぶってこ…

蒼穹のファフナー THE BEYOND 10-12話

※アナウンス※ この記事の筆者は冲方丁の従軍慰安婦像への侮蔑発言及びその後説明なしに記事を削除して発言をなかったことにしようとした対応を批判しています。 『進撃の巨人』と『コードギアス』のネタバレがあります。 あー。 やっと解放された。やっと。E…

NANA ~21巻/矢沢あい

『一色』のイメージが強かったので読んでる間ずっとこれが脳内再生されてたんだけど今『GLAMOROUS SKY』を聴いたら掴まれてしまった心臓が……。私もかつて恋人のバンド練習のためにスタジオ着いていく女で……そのバンドの持ち曲がこれで……。恋愛と執着の煮こご…

オッドタクシー

書いてくうちに感想がまとまってきたため最初と最後で言ってることがちがう↓うーん単なるサスペンスミステリーとして見たら面白いと思ったと思う。小戸川の「41にもなってひねくれ毒舌で友人のことすら馬鹿にして優位に立った気になって人を拒絶するのにそこ…

アンモナイトの目覚め

えっ!?!?ここで終わり!?人間関係は!!摩擦が起きてからが本番やろが!!!「おっ本番きたきた~♪楽しみ~♪でももうあんま時間ないから安っぽい和解を経て終わりかなあ」と思ったら唐突に終わった。まあ安っぽい和解よりかはこの意味ありげな化石越し…

『福祉政治史 格差に抗するデモクラシー』/田中拓道 『社会変動の中の福祉国家』/富永健一

ブレトンウッズ体制ドル本位制下である程度自由な経済政策と貿易が行えるようになった国際秩序体制。自由貿易を支えた金本位制では各国景気による自由な経済政策が打てない。金本位制が行き詰まった世界恐慌後の保護貿易はそこからはずれた国を経済苦境に陥…

はみだしっ子/三原順

「人生」といった体の構成であった……。人生のような混沌さ。唐突さ。あっけなさ。連続性。ラストの、グレアムの物語の本筋と、サーニンがクークーを想う傍流とが、全く絡み合わずに展開されていく筆致の織り成す「人生」っぽさの手触りよ。ひとつずつ出来事…